鴨川合同祭


平成23年9月10〜11日 千葉県鴨川市で「鴨川合同祭」が行われました。

このページはその前日(9日)と初日(10日)のスケッチです。

参加する神社
鴨川市鴨川地区は昔から漁業・農業・商業が栄えた町でしたが
それぞれの地域の生活が異なり、域内にある7つの神社はそれぞれの時期に

祭礼を行っていましたが、高齢化が進み更に漁業の衰退などにより
昭和57年(1982)から合同で行うようになったとの事です。

前日に下見を兼ねて7つの神社を回ってみました。

千葉から車で1時間40分 85km
まず諏訪神社へ行きました。美しい海辺にありました。
諏訪神社 南北朝の頃、信濃国諏訪大社宮司や源頼吉の一族が
加茂川の郷に移住して諏訪大明神を建立したとのこと。

祭神 たけみなかた命
この山車は江戸時代に神田祭の山車として天下祭りに参加し
江戸城内に入り徳川将軍の上覧を受けた江戸山車です。
 

三層・人形上下・枠上下型
神田鍋町が所有していたが引き回しに東京市電の架線が支障となることから
諏訪講が明治43年に購入したとの事です。


人形はこの「神宮皇后」、この他に「源頼義」(後述)があり、
祭りの初日は前者、二日目は後者となっています。
お神輿の飾り付けは終わっているようです。
この作人の「伊八」とは文化年間(1804〜18)に活躍した
鴨川市打墨出身の彫刻師 「武志伊八郎信由」のことで

関西では「関東で波を彫るな」と言われたくらい
「波」と「龍」を彫らせたら彼の右に出るものは

居なかったということです。
この神輿にも・・・
拝殿の柱にもその作品があります。
この神社の近くの鴨川市市民ギャラリーには貴重な品々が展示されています。

これは獅子頭で、この地区の獅子保存会によって
代々伝えられています。

保管している箱の墨書によると、文政3年(1820)の製作です。
昔は祭礼の時は各家を回って厄払いをしたそうですが

今は飾ってあるだけだそうです。
これが冒頭にあった「諏訪神社」の山車の人形 「源頼義」で
二日目に乗せられます。

これも神田から大正時代中期に購入したもの。
この人形の目は少し寄り目に見えますが、
高い山車の上に据え付けられ、

下から見上げると何処から見ても自分が
見られているように感じるのだそうです。
 
横渚(よこすか)にある八雲神社
祭神 すさのお命
三層・人形上下・枠固定型
人形 神武天皇
前原にある日枝神社
10メートルほどの高台にあります。理由があるのです(後述) 
宝永3年(1706)再建  祭神 おおやまづみ命
お神輿は飾り付けが終わっていました。
この高台は慶長9年(1604)に大津波の被害があり、
それをを教訓にして住民が土を盛り上げて

避難所として築いたものだそうです。
その後、元禄16年(1703)に房総沖を震源とする

マグニチュード8.2(推定)の大地震があり、
この地区で九百人の犠牲者が出たそうですが

この神社へ逃げた人は 無事であったということです。
写真の石碑はこの高台以外で犠牲になった方々だそうです。


今から400年前に、津浪には高台に逃げるしかないと悟り
対策を実行した無名の人々がいたことに深い感銘を受けました。
横渚(よこすか)の熊野神社

南朝 正平3年(1348)創建 
祭神 いざなみ命・はやたまお命・よもつことさかお命
神輿の飾り物が並べてあります。
美しい飾り紐です。太い紐は絹で覆われており折れ癖が付かないように
丸い大きな筒状の容器に輪にして丸め大切に保管されています。
先ず鳳凰から飾りつけが始まります。
この神社も高台にあります。
貝渚(かいすか)の白幡神社 祭神 やまとたける命
治承4年(1180)源頼朝が相模石橋山で破れ、安房に上陸して
本社に祈り白幡を奉納したことで白幡大明神と称し、

その後白幡神社となったのだそうです。
神輿の飾りつけもこれからのようです。
境内からの町並みの展望
この掲示のように避難場所に指定されています。

ちなみに今回の大地震の被害はなかったそうです。
貝渚(かいすか)の八雲神社です。ここも高台です。
南朝 天授3年(1377)創建 

祭神 すさのお命・あまてらす大御神・ことしろぬし命
この神社で有名なのは「担ぎ屋台」といわれるものです。
今それを組み立て中です。

早く言えば車輪のない屋台で三本の太い棒で
担いで移動するのです。


この屋台は天保4年(1833)漁業の守護神厳島神社の
祭礼の折に披露されたのが最初とされております。

これは「まき網船」を模したもので、屋台は船・担ぎ手は海
3本の担ぎ棒は波、中で囃される笛や太鼓は漁師達の喜怒哀楽を

表現し激しく揉み合うのだそうです。
乗っている演奏者はどんなに激しく揺られても決して
演奏を中止することなく交代も担ぎながら行われると言うのです。

その屋台が今丁寧に頑丈に組み立てられつつあります。
お神輿の飾りつけも進んでいます。
更に先導の猿田彦命もいます。
境内からの眺望 
避難所としても最高のようですね。
7番目に訪れたのが貝渚(かいすか)の八幡神社
ここは地域自体が高みにあります。
 
 由緒不明  祭神 ほんだわけ命
 
 汗だくで準備中です。
 
 舞台屋台は出来上がっています。

先人の知恵の驚く神の里

9月10日へ進む


inserted by FC2 system