平成22年11月23日 
千葉市中央区登戸(のぶと)にある登渡(とわたり)神社で

秋季例祭が行われました。
今は「勤労感謝の日」となっていますが、

昔は「新嘗祭(にいなめさい)」と言われていた祭りで
天皇が天神地祇に新穀を供え、

自らもそれを食する祭儀であり、陰暦十一月の卯の日に
行われていたそうです。

JR千葉駅から西方約600m 神社の周囲はすっかり住宅街です。
この神社は正保元年(1644)、千葉家の遺族・登戸権介平定胤が
祖先を供養するために千葉妙見寺(現在の千葉神社)の末寺(妙見大菩薩)
として建て・・・
その後、慶応3年(1867)に登渡神社と改め、
祭神を天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)など
造化三神と定めたとのこと。
折りしも紅葉の時期で・・・・・
境内は自然が描いた秋の絵です。
午前十時 氏子の皆さんが神木の前に集まり始めました。
祭礼に先立ち手水の儀
国旗掲揚
 
 号鼓
 
 修祓・・・献撰・・・祝詞奏上のあと・・
 
ここのお神楽囃子は千葉市の地域無形民俗文化財に認定されています。
大胴(太鼓)、附け(附け太鼓)、篠笛、鉦、大拍子などを使います。

江戸時代、この地域は交通の要所としての「宿場町」と
房総の産物を江戸に運ぶ「港町」としての機能があったようです。

江戸の行徳・深川・小網などとの繋がりから祭りの盛んな江戸の気風が
伝えられたのではないかといわれています。
   
 お神楽は登戸囃子連によって守り続けられています。
全部で8種目があるそうですが今日は「新嘗祭」にちなんで、

五穀豊穣に感謝する「天狐の舞」が奉納されます。
 
 近づいてみると恐ろしい形相ですね。
 
 御幣と鈴を持ってする祓い舞
 
 狐はお稲荷様(稲の精霊)の御使いとされていますから、
五穀豊穣にはピッタリのキャラクターなのでしょうね。
 
 鈴の音は古来罪穢れを祓い清めるという意味と神を招来するという
意味があると言われています。
 
お賽銭を入れるときに鈴を鳴らすのは、
入れますよ よく聞いてくださいよということだろう。 
 
 鈴と御幣を納めて農耕の仕草をします。
   
 稲を刈り取る姿勢で・・・・・  草臥れて腰を伸ばす・・・のかな
 
 最後恭しく拝礼をして修める。
 
 玉串奉奠
 
 御神酒頂戴
 
拝殿を出てみれば・・・
 753のお参り・・・兄ちゃんのほうはママの後ろに隠れました。
 
 参道を振り返れば・・・・四季のある幸せ
 
ぶらぶらと歩くと・・・・すぐに街の中心 
遊園地のようなモノレールが音もなくすべる・・・
 
 街も静かに秋を演出

新米に天狐も人も舌鼓

これで秋季例祭はお終いです。

稲の語源は
「命の根」「生き根」からだという説があります。

瑞穂の国はあらゆるものが米を中心に
作られているように思われます。

食料としては当然ですが、生産を維持するための
社会的な仕組み、自然の活用など土台は稲作のように
思われます。

昨今騒がれているTPPですが
他人任せの防衛が舐められる日本を造ったように

安ければどこのものでもよいでは
日本の社会や自然は守れないのではないかと心配します。

これが私の新嘗祭の感想です。

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