しいかご踊り

夕方になると少し様子が違ってきました。これは祇園祭りの行われる八坂神社です。
寛永年間に祀られたとしか表示はありません。

提灯の文字は氏子の本町の「ほ」、仲町の「な」、新町の「志」を表します。
ここで「しいかご舞」が行われます。これはその舞台です。三方に太縄を張った柱は
津久舞柱(つぐめばしら)といい、しいかご舞で重要な役割があります。
暮れなずむ頃準備が始まります。
この神事の始まりは不詳ですが、使用される道具の箱には

天明元年(1781・・十代将軍家治の時代)とあるそうです。
この踊りは猿、獅子、鹿、雨蛙の面をつけて行います。
これらはその道具です。
踊り手は先の三つの町から若衆が選ばれますが、
何といっても主役は「猿」です。

今年から鈴木章夫さん(28)が猿の面を被ります。
お父さんから引き継いだそうです。
夜の7時、しいかご舞を始めるに当たり神社へ拝礼
それぞれの面を被った若衆が順に舞台へ上がり神殿に向って拝礼
手を振り上げ床を踏み鳴らして踊る。
しばらく舞っていると急にお互いが抱き付き合い狂ったように舞台を駆け回る。
この意味は地元の人に聞いても分からない。
この櫓は一階が舞台裏で二階が舞台のようです。
踊りは単調で右腕を突き上げ足を踏み鳴らす。床板がギイギイと鳴る。
角のあるのが鹿だろう。
左に見える丸い被りものが「雨蛙」だそうです。
やがて猿の面を背負い鈴木さんが、つぐめ柱を上りはじめました。
この柱は十メートルあります。以前はもっと高かったそうです。
過去には落ちた人がいるそうです。
上り詰めると鉄棒よろしく大きく体を振り始めました。
柱がゆさゆさと揺れています。
この大車輪はお父さん譲りだそうです。
一頻り揺さぶって、柱の横棒の端に結び付けてある扇を切り落とします。
それを拾った人は福を得るといわれています。

切り離す瞬間は撮り損ないました・・・残念至極
初めての猿を終えホットしています。
これを引き継いで呉れた時、お父さんは

誇りだと思ったそうですが、お母さんは「えっ・・やるの」と思ったそうです。
静かに下りてきます。
この踊りは豊作・無病息災・雨乞いなどの願いをこめたものと言われています。

これだけスリル満点の踊りですから神様も聞き届けてくれることでしょう。


ポリショイもしいかご舞にシャッポ脱ぎ

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