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千葉教室
11月25日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
ならぬ菅認するのが菅認 | 良子 | 4 |
APECメモを浮き輪の菅首相 | えみ | 15 |
ヒロシマが抹茶アイスに舐められる | 宏孝 | 15 |
夢買う人と砲撃を逃げる人 | 哲子 | 3 |
報道におどる政府の危機管理 | 正義 | 6 |
法相は二つ覚えただけで辞め | 照生 | 16 |
更迭へ二つ覚えの自虐ネタ | みのり | 13 |
閣僚に職責意識薄れてる | 駿造 | 1 |
北鮮の暴挙に中国の透かし | 芳朗 | 6 |
紅白にトイレの神が尻を押す | 中)正美 | 18 |
アルプスに消えて職場に出る氷河 | 健 | 10 |
法相も鳴かずば撃たれまいと雉 | 寿寿夢 | 8 |
手詰まりに始まる北の悪あがき | 岩男 | 9 |
問責を援護射撃が吹き飛ばし | 敬三 | 8 |
砲撃に問責が飛ぶ緊急時 | 友一 | 4 |
砲撃にカネと問責飛ばされる | 砂都市 | 13 |
夢よジャンボよいっとき不況の街が沸く | 絹子 | 1 |
(評)
「ヒロシマが」「法相は」「更迭へ」が上位。(て)
宿題 時事雑詠 渡邊貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 大臣は楽な仕事を棒にふり | 友一 |
中年の星が土俵に花を添え | 良子 | |
銀座へと元満載のツアーバス | 岩男 | |
手と足と口も患う奇兵隊 | 正義 | |
ユーチューブ匿名性を嘲笑う | 絹子 | |
岩隈がホームベースへ逆戻り | 友一 | |
シーソーの合憲違憲動かない | えみ | |
はやぶさが仕分けに投げる石つぶて | 敬三 | |
南北のドンパチ九条がかゆい | 砂都市 | |
勤労に感謝したいが 職がない | 正義 | |
就活のドア叩いても半開き | 芳朗 | |
秀逸 | はやぶさのホコリに負けた仕分け人 | 照生 |
鼻づらに一兵卒の太い綱 | 岩男 | |
仕事場が増えた戦場カメラマン | 中)正美 |
宿題 自由 「長」 福田岩男選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 長年の脅しで繋ぐ北の国 | 駿造 |
船長も行く先知らぬ日本丸 | 照生 | |
幹事長より兵卒が偉い党 | 健 | |
船長が火消しに回る日本丸 | 中)正美 | |
拉致の子の齢数える誕生日 | 敬三 | |
芋蔓の長さと一兵卒の息 | 絹子 | |
暴発の長い世襲に飢える国 | 芳朗 | |
醗酵を待てぬ日本の仕分け人 | 敬三 | |
トップよりナンバー2の長い舌 | 宏孝 | |
少子化の椅子にもたれている長寿 | 正義 | |
長寿国なのに短い首相の座 | 宏孝 | |
秀逸 | 長針が止まったままの永田町 | 友一 |
幹事長一兵卒に尽くす礼 | 芳朗 | |
民主党長袴に馴れぬ足捌き | みのり | |
軸吟 | 拉致家族北へ届けと長恨歌 |
宿題 自由 「突」 守谷友一選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 就活を突き出す氷河期の企業 | 芳朗 |
唐突に会議玉虫色で終え | 砂都市 | |
暴力装置事実突いて噛みつかれ | 絹子 | |
高齢化無縁社会を突きつける | 芳朗 | |
急落の支持へ見えない突破口 | みのり | |
三つ目は出ず大臣の突然死 | 敬三 | |
だしぬけに辞表書かせた菅総理 | 駿造 | |
痛いとこは突かずに夫婦長持ちし | 良子 | |
衝突のビデオに漏れていた機密 | 宏孝 | |
消える前魁皇突如元気だし | 照生 | |
延坪の空突く北の御挨拶 | 岩男 | |
秀逸 | 衝突は避け冷や飯の平和主義 | 砂都市 |
政変は突然変異だと悟る | 敬三 | |
政変にあるかも知れぬ突然死 | 岩男 |
皆様へお知らせ
時事作家協会千葉教室は都合により
平成22年12月をもって解散いたしました。
これまでの皆様のご支援に感謝いたします。
10月28日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
外交の舞台で揺れる柳腰 | 正義 | 14 |
献金へ冬支度するマニフェスト | 良子 | 17 |
尖閣へ柳腰より及び腰 | 敬三 | 5 |
一本のペンに抗する巨大国 | みのり | 6 |
騒音は成田羽田も千葉が持ち | 照生 | 6 |
サイコロも迷惑だろうキスの文字 | 哲子 | 5 |
すき焼きを食らう離れへ仕分け人 | 岩男 | 12 |
戦国の世に見当たらぬ下克上 | 宏孝 | 2 |
裁判員死刑に重いサジ加減 | 芳朗 | 10 |
うなぎパイ国税局につかまれる | 中)正美 | 7 |
検察に氾濫してるストーリー | 健 | 8 |
献金という人参をついパクリ | 友一 | 6 |
ほっとして乗る仙谷の助け舟 | 寿寿夢 | 10 |
特法へ仕分けの刃つきつける | 絹子 | 1 |
予言タコ自分の寿命当てられず | 駿造 | 10 |
(評)
所用で欠席し討論は聞いていないが、紙面で見る限りでは
「献金へ」「一本の」「裁判員」「献金と」「ほっとして」などの句は
多少の欠点をかかえているものの、他との類想を避けて
独自性を模索しようとする意思を感じる。
(て)
宿題 時事雑詠 橋敬三選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 有権者ブレブレ詐欺にうんざりし | 正義 |
デモ隊が内側向いて慌てだす | 良子 | |
反日のマッチポンプに見えるデモ | 健 | |
尖閣の無法へじれる及び腰 | みのり | |
東大寺やはり足本暗かった | 宏孝 | |
仕分け人埋蔵金の点と線 | 芳朗 | |
そのまんまやる気ござらず田舎知事 | 照生 | |
地上波に日本シリーズ軽視され | 友一 | |
分裂を恐れ小沢をのさばらす | 寿寿夢 | |
秀逸 | 弁護士が守る一兵卒の城 | 芳朗 |
粛々と市場介入せぬ政府 | 健 | |
抗日のデモ愛国へ痩せた蟻 | みのり |
宿題 自由 「海」 千葉絹子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 履歴書を樹海へ急かす不況風 | 宏孝 |
日本の四季へラニーニャエルニーニョ | 岩男 | |
いわしさんま所詮B級海の幸 | 哲子 | |
岸壁の母は昭和も平成も | 敬三 | |
羽田沖だんだん狭くしてハブ化 | みのり | |
尖閣の尻馬に乗る反日派 | 駿造 | |
尖閣で海猿の士気下がる指示 | 芳朗 | |
シナ海と名のつくところ波高し | 友一 | |
中国の地図には広い日本海 | 宏孝 | |
秀逸 | 領海に線など見えぬ広い海 | 正義 |
公海に五星紅旗の覇権主義 | 岩男 | |
辺野古沖机上の案が今だ出ず | 友一 |
宿題 自由 「残」 本田哲子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | サッカーの予言名前を残すタコ | 芳朗 |
極暑から真冬へ秋はちぢこまる | 絹子 | |
句会場残り香どこも加齢臭 | 宏孝 | |
残照の暮らしへ忍びよる余生 | 岩男 | |
残高にうろたえている余命表 | 岩男 | |
ドングリの残り少ない森の熊 | 芳朗 | |
被災地のその後を紙面語らない | 絹子 | |
魚心だけが乗ったチルドレン | 絹子 | |
残り火にまだ晩成をかけて生き | 敬三 | |
秀逸 | 残高を見えぬ余生で割りあぐね | みのり |
ばら撒きに残る赤字のピラミッド | 敬三 | |
残高と余命はいつも仲違い | 敬三 |
9月24日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
検察官の顔して検察官もどき | 絹子 | 2 |
死んだふり小沢改変迎え撃つ | 駿造 | 2 |
相撲フアンそろそろ不安あの記録 | 良子 | 4 |
ノーサイド顔ぶれ見ればワンサイソ | 正義 | 18 |
内憂外患菅政権の不眠症 | みのり | 6 |
一字から万事へ掛ける色眼鏡 | 宏孝 | 7 |
尖閣へ横車出す赤い国 | 哲子 | 9 |
惨敗が一兵卒を戯画にする | 岩男 | 9 |
尖閣の漁船に無理を通す網 | 芳朗 | 8 |
名護市民辺野古にノーを突きつける | 友一 | 4 |
円だけが高い試される為政者 | 寿寿夢 | 4 |
カヤの外で暑さに耐えた二週間 | 健 | 4 |
マルサよりワルサが目立つ特捜部 | 中)正美 | 12 |
脚本もキャストも決めている検事 | 敬三 | 19 |
白鵬は日本イチローはアメリカ | 砂都市 | 12 |
(評)
視角・形式・時事性から判定して完成度の高い順に「ノーサイド」
「惨敗が」「カヤの外」「脚本も」「尖閣へ」か。
高点の「白鵬」は報告だけで主張が見えず難解。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 二、三代まとめて祝う敬老日 | 正義 |
ガス抜きを見せられ日本ガス溜まる | 良子 | |
検察のバッジが襟でむせび泣き | 正義 | |
振興のペイオフを観る預金帳 | 哲子 | |
有罪の切手貼られる特捜部 | 芳朗 | |
検察の威厳が落ちるスキャンダル | 正義 | |
白鵬が歴史を刻む心技体 | 駿造 | |
密室の捜査にあった罪つくり | 宏孝 | |
彼岸までやっと間に合う秋の風 | 良子 | |
秀逸 | 冤罪を生む特捜のストーリー | 岩男 |
菅さんが副で圧さえているマグマ | 敬三 | |
ラグビーのようにはいかぬノーサイド | 岩男 |
宿題 自由 「火」 市川芳朗選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 冷や飯の一新会にある火種 | 砂都市 |
値上げ日へ逡巡してるたばこの火 | みのり | |
消費税待ったに予算火の車 | 岩男 | |
反日の民低すぎる発火点 | 良子 | |
スマップに火の粉がかかる漁船拿捕 | 中)正美 | |
休火山その上にいる民主党 | 敬三 | |
地下深く火気厳禁で待つ救助 | 友一 | |
敗軍の一兵卒が抱く火種 | 宏孝 | |
日中の火中の栗を狙う台湾 | 健 | |
秀逸 | 火達磨のような民主のロゴマーク | 敬三 |
特捜が密かに抱いていた火種 | 哲子 | |
小魚へやたら強火の中華鍋 | 宏孝 |
宿題 自由 「座」 千葉絹子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 粛粛へ銀座の柳うなだれる | 宏孝 |
妻の座を磐石にする仕分けかな | 良子 | |
対極の座主に一兵卒の影 | 芳朗 | |
定年後座右の銘を軽くする | 良子 | |
多重債務預金口座が泣いている | 哲子 | |
多国籍のことばが跳ねている銀座 | 哲子 | |
常識を超えてる席にいる鬼才 | 砂都市 | |
ママの背の待機児童に椅子がない | 岩男 | |
秀逸 | 居座った夏にお手上げ救急車 | 芳朗 |
裁判員が首を傾げる検事の座 | 芳朗 | |
村木さん晴れて本座に着く安堵 | みのり |
8月26日 於 千葉市中央コミュニティセンター
(7月は休会でした)
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
ガイコツが年金を食う夏の怪 | みのり | 17 |
政治より好きは政争議員燃え | 照生 | 2 |
不参拝だけには見せた指導力 | 健 | 15 |
移された風邪に我が子の高い熱 | 宏孝 | 0 |
大相撲仕切り直しが止まらない | 敬三 | 5 |
ラー油ほど辛さも支持もない政治 | 哲子 | 6 |
円高を横に民主の泥仕合 | 岩男 | 9 |
円加速株安輸出三重苦 | 駿造 | 3 |
政治と金涼しい顔の軽井沢 | 中)正美 | 18 |
普天間を連想させるヘリの事故 | 寿寿夢 | 5 |
高齢を戸籍で競う江戸時代 | 芳朗 | 9 |
列島をドナーの善意走り抜け | 正義 | 11 |
(評)
身近で最大の関心事である連日の記録的猛暑と
その原因と見られる温暖化関連の「時事」が無いのは寂しいが
「不参拝」「ラー油」「政治と金」には風刺が、「列島」には人間愛が
あり、各々水準を越える出来栄え。
(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 真夏日へ目黒のサンマ思案中 | 哲子 |
円高はソッポ内ゲバスパイラル | みのり | |
蝉時雨三十五度をかきまわす | 正義 | |
代表を視野に二の矢を緩めない | みのり | |
本人が知らぬ各地で臓器生き | 照生 | |
殺すよりせめて捨てろよ鬼の母 | 同 | |
この指の止まれ選挙の嫌な人 | 敬三 | |
別荘へともかく集う風見鶏 | 宏孝 | |
鳩の方から豆を撒く軽井沢 | 健 | |
秀逸 | 人生の軌跡が消える長寿国 | 芳朗 |
善後策円高よりも党首選 | 岩男 | |
承諾へ五臓六腑が仕分けされ | 宏孝 |
宿題 自由 「富」 福田岩男選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 近づくとあらも見えます富士の肌 | 正義 |
資本主義規制外せば貧富の差 | 照生 | |
政変も富の在りかは変わらない | 敬三 | |
富む国の裾野でちぎれゆく絆 | 哲子 | |
人民服今や世界の富裕層 | 敬三 | |
富裕層来来で混む秋葉原 | 芳朗 | |
職安も富士の樹海も人の波 | 宏孝 | |
秀逸 | 独法の辞書に国富の文字がない | 宏孝 |
似非富裕国債という化けの皮 | みのり | |
別荘で格差社会を語り合い | 正美 |
宿題 自由 「立つ」 新谷みのり選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | にわか雨お詫びに見せる虹の橋 | 敬三 |
朝帰り妻の笑顔に立ちすくむ | 正義 | |
上げ底の存在感が波を立て | 敬三 | |
今が旬冷凍サンマ立ち上がる | 哲子 | |
夕立がゲリラとなって来る猛暑 | 芳朗 | |
狭霧立つ牧場に牛の鎮魂歌 | 岩男 | |
沖縄に核の傘立つ滑走路 | 芳朗 | |
秀逸 | 立ち飲みでちょいと昭和の顔になる | 宏孝 |
猛暑日に白旗立てる救急車 | 芳朗 | |
米粒が立って新米誇らしげ | 哲子 |
6月24日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
野球賭博朝青龍を笑えない | 岩男 | 8 |
V字からWになった消費税 | 宏孝 | 6 |
するしないみんな賭けてる名古屋場所 | 正義 | 10 |
ビバジャパンサムライブルーなら出来る | みのり | 0 |
勝負師は野球で勝負相撲部屋 | 照生 | 7 |
土俵の外で軍配が忙しい | 哲子 | 12 |
カンニングへと進歩したマニフェスト | 敬三 | 7 |
決勝の扉を開けろW杯 | 駿造 | 1 |
マツダからアキバヘ結ぶ点と線 | 砂都市 | 13 |
開催へ賭け率上る名古屋場所 | 芳朗 | 14 |
相撲界清める塩が底をつき | 友一 | 15 |
金よりも命を賭ける名力士 | 中)正美 | 2 |
はやぶさが二位を一位に変えさせる | 健 | 15 |
追い風に乗って飛んでるグライダー | 寿寿夢 | 0 |
もういいかいまあだだよっと消費税 | 良子 | 8 |
九つの党の名前が言えますか | 絹子 | 12 |
(評)
相撲賭博は角界を揶揄するだけでは真実に
迫ることは出来ない。闇の勢力が社会で暗躍している
実態を見なければ単なる事象の傍観者である。
角界だでなく、非合法集団が暗躍する法治国家もまた、
風刺の対象なのである。
(て)
宿題 時事雑詠 福田岩男選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | ゆるふんで張り手が多い大相撲 | 芳朗 |
八百長もあったかもねと徳俵 | 良子 | |
無差別の恐怖へ狂気から凶器 | みのり | |
たちまちにソッポ国技の裏カジノ | 砂都市 | |
砂でなく誇りはやぶさ積んでくる | 健 | |
消費税なんでも言える野党席 | みのり | |
はやぶさが上げますドラフトの順位 | 芳朗 | |
仕分けショウ無駄を悟った消費税 | 敬三 | |
お茶漬けをサラサラ食えぬ土俵上 | 芳朗 | |
消費税参院選で付く助走 | 芳朗 | |
秀逸 | 懸賞に水を差された鮭茶漬け | 正美 |
増税の狼煙を上げる奇兵隊 | 正美 | |
哲学も赤字もギリシャから学び | 敬三 |
宿題 自由 「家」 遠藤砂都市選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 国よりもお家の事情を考える | 寿寿夢 |
新党は名のみ政界ホームレス | 岩男 | |
ハウスクリーニングしたい国技館 | 正美 | |
危機管理国へ駄目出しをする家畜 | 芳朗 | |
家ダニに叩かれている琴光喜 | 正美 | |
決断は家内の腹が決まるとき | 良子 | |
闇将軍総理の家内かも知れず | 良子 | |
弁護士の命の保証ない家裁 | 健 | |
政治には無縁の家系から総理 | 岩男 | |
政治家と政治屋仕分け願いたい | 友一 | |
秀逸 | 職安に仕分けをされてホームレス | 宏孝 |
桟敷から仁義を切っている好角家 | 宏孝 | |
年老いた我が家の子には無い手当て | 健 |
宿題 自由 「世」 中野良子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 蓮舫も藍に脱帽世界一 | 宏孝 |
出世魚食べて人生こんなもの | 正義 | |
政権へとどめ世論という魔物 | 岩男 | |
世渡りが下手でまだ見ぬ億の金 | 哲子 | |
政治家の世襲遺伝子劣化する | 岩男 | |
世話好きの名刺に白いとこがない | 正義 | |
大相撲世間が許さぬ名古屋場所 | 照生 | |
ノンポリへ安保世代の嘆き節 | 岩男 | |
芸人も親の顔にて世を渡り | 照生 | |
挫折した数だけ世間広く見え | 砂都市 | |
秀逸 | 中流も今は昔か格差の世 | 照生 |
二世帯で朝日にちょっと時差がある | 義正 | |
はやぶさに拍手宇宙へ新世紀 | みのり |
5月27日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
イソップもサジ投げ出した北の国 | 敬三 | 11 |
参院選しっかり仕分けされる夏 | 正義 | 17 |
ヤワラちゃん議員でキンと軽くいい | 照生 | 9 |
振り向いて鳴く牛に泣く畜産家 | みのり | 17 |
口蹄疫へあまりに高い授業料 | 哲子 | 6 |
通貨危機強い味方に金地金 | 駿造 | 4 |
かりゆしのパフォーマンスへ怒の罵声 | 岩男 | 10 |
アメリカも君も大事と迷うハト | 健 | 5 |
国民を総バカにして宝くじ | 絹子 | 4 |
刑務所へ睨み利かせてたまり席 | 芳朗 | 6 |
魚雷撃ち人道支援水の泡 | 中)正美 | 3 |
審査会世論味方にする強み | 寿寿夢 | 8 |
アメリカが鳩に沖縄学ばせる | 良子 | 10 |
親方が親分肌になる桟敷 | 宏孝 | 10 |
魚雷から総理が学ぶ抑止力 | 友一 | 20 |
(評)
完成度は平均しているが「参院選」「ヤワラ」「振り向いて」
「魚雷撃ち」「アメリカが」「親方が」「魚雷から」等は
句意明瞭で欠点の少ない。
前後の脈略もないまま総理を鳩(ハト)とする常套語はそろそろ卒業を。
「鳩時計」「鳩ポッポ」も同様。
初参加は千葉市の鈴木正義さん。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | トラストミー鳩がくるりと輪を描いた | 敬三 |
宮崎の口蹄疫のスパイラル | 絹子 | |
目には目を牙を研ぎあう北南 | みのり | |
社民党がモンスターめく辺野古案 | みのり | |
ワクチンを打っても明日は来ない牛 | 友一 | |
そのまんま煮ても焼いても食えぬ | 宏孝 | |
株価みなしだれ柳のようになり | 正義 | |
よく見たいくじの仕分けの前後賞 | 正美 | |
子育てのトキの手当てをとるカラス | 芳朗 | |
友愛が沖縄人を切り刻み | 照生 | |
秀逸 | 蜜の箱事業仕分けが見せてくれ | 岩男 |
五月末基地は辺野古へ里帰り | 哲子 | |
沖縄も瑞穂の国と胸を張る | 良子 |
宿題 自由 「苦」 守谷友一選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 沖縄へ苦労押し付け温い飯 | 岩男 |
交流戦セリーグ苦戦地力のパ | 駿造 | |
円高に輸出企業が苦渋嘗め | 駿造 | |
ぶれぶれで閣僚の舌苦労する | 哲子 | |
針千本総理は苦痛不感症 | 絹子 | |
宮崎の牛が広げる苦界波 | 絹子 | |
ベスト4苦笑をもらすサポーター | 良子 | |
コバンザメ瑞穂苦肉の綱渡り | 敬三 | |
横審の苦言へ尽きぬスキャンダル | 岩男 | |
苦の連鎖口蹄疫の速い足 | 芳朗 | |
秀逸 | 官邸に苦渋苦肉の盛り合わせ | 宏孝 |
内閣の苦楽は別の社民党 | 芳朗 | |
苦慮の末元の木阿弥辺野古案 | 駿造 |
宿題 自由 「色」 中島宏孝選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 金色のまわしで記録積み上げる | 芳朗 |
胸底に息づくセピア色の恋 | 岩男 | |
紫陽花は女心の色で咲く | 正義 | |
スカイタワー都心の虹が生き返る | 絹子 | |
さざんかも天城峠も青ざめる | 芳朗 | |
野党色今でも残る社民党 | 健 | |
モノクロの未来図基地に描く総理 | 貞勇 | |
連立のグラデーションが決まらない | 敬三 | |
カラフルな帽子参院選候補 | 貞勇 | |
基地移転玉虫色の重ね塗り | 岩男 | |
秀逸 | 閣議室みずほが羽織る色違い | 芳朗 |
バラ色が無地に近づくマニフェスト | 貞勇 | |
色褪せた有名人をまた担ぎ | 良子 |
4月22日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
上海へ拉致そのままの君でいる | 絹子 | 8 |
徳之島基地はいらない容赦せず | みのり | 0 |
基地移転長寿の島に火をつける | 岩男 | 7 |
思考中の札が尽きない鳩の舌 | 哲子 | 2 |
デスカバリー夫がカバー妻の夢 | 良子 | 9 |
好きだった野党の頃の民主党 | 照生 | 14 |
ペンでなくパソコンで書くのが憂鬱 | 健 | 0 |
振り上げた新刀既に錆が浮き | 宏孝 | 13 |
自民党ネズミ花火の断末魔 | 敬三 | 12 |
徳之島移設にデモの防波堤 | 芳朗 | 13 |
アメリカでトラストミーも袖にされ | 寿寿夢 | 10 |
ジオスからジエンドになる英会話 | 中)正美 | 13 |
上海博できれば見たいコピー館 | 友一 | 14 |
10分だけ会ってください徳之島 | 砂都市 | 13 |
野放しになってジオスも墓穴掘る | 駿造 | 2 |
(評)
「基地移転」「好きだった」「デモの防波堤」「コピー館」が上位と見た。
句意は理解できたとしても、日本語としての
正確さがないと減点対象となるので注意。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 反民主のつもりでやって親民主 | 健 |
アメリカに総理のプア見透かされ | 駿造 | |
アラスカの空へ空しい管制塔 | 絹子 | |
島に意へ総理の耳は不感症 | 哲子 | |
五月晴れ予報が暗い徳之島 | 砂都市 | |
普天間へ甘い言葉で墓穴堀り | 良子 | |
噴煙へグローバル化の空路泣く | みのり | |
万博も海賊版のお国柄 | 砂都市 | |
ままならぬ世に八つ当たり子をいじめ | 照生 | |
閉塞の打破へ新党コケコッコ | 岩男 | |
秀逸 | 政界のシャッター街の自民党 | 敬三 |
徳之島砂糖きびほど甘くない | 中)正美 | |
県外へ一緒に飛ばす鳩の首 | 宏孝 |
宿題 自由 「旗」 橋敬三選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 旗色を真っ青にする支持低下 | みのり |
新党が多くて見分けつかぬ旗 | 健 | |
腹案に反旗を揺らす国訛り | みのり | |
根回しのない腹案へむしろ旗 | 岩男 | |
狼煙にもならぬ反旗に冬の雨 | 絹子 | |
新党の旗色白く見えてくる | 良子 | |
旗色の悪さじゃ負けぬ自民党 | 中)正美 | |
基地移転どこも要らない星条旗 | 照生 | |
トラストミーの軽さへそっぽ星条旗 | 岩男 | |
旗揚げて風吹かぬまま垂れ下がり | 良子 | |
秀逸 | 続々へ半旗掲げる自民党 | 宏孝 |
ぶれ過ぎにもう望めない大漁旗 | 宏孝 | |
旗本も分からぬ殿の腹の中 | 寿寿夢 |
3月25日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
王国に言わぬが花が咲き誇る | 宏孝 | 12 |
グーグルを目詰まりさせて根も枯れる | 良子 | 10 |
与野党のプラマイゼロの内輪揉め | 敬三 | 6 |
正義派が核の密約掘り返し | 照生 | 10 |
タイムリミット尻に火がつくゼロベース | 砂都市 | 9 |
解任で朝令暮改やってのけ | 友一 | 11 |
別姓でバラバラになる与党内 | 健 | 12 |
印籠のように火種へ水を差す選挙 | 哲子 | 0 |
先送りした普天間に不発弾 | 岩男 | 9 |
生方と共にやろうぜ自民党 | 芳朗 | 8 |
大関と優勝狙う把瑠都関 | 駿造 | 1 |
クロマグロ次のまな板サメが乗り | 中)正美 | 20 |
のっけから県内だった移転案 | 寿寿夢 | 8 |
群れを出て群れ恋しがる羽繕い | みのり | 4 |
(評)
「与野党」「解任」「別姓」「生方」「クロマグロ」は
句意が明確で風刺もあり表現の欠点も少ない。
「王国」は小沢か中国のネット規制かで解釈が割れた。
ミニ講話は具象と抽象の選考基準の違い。
時事吟は社会への発信であり読者の共感を
期待する文芸。常に句意を明確にしたい。
(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | リコールを踏み台にして売るアメ車 | 砂都市 |
撮るよりも乗ってくださいJR | 照生 | |
支持率の低下に欲しいサプライズ | 岩男 | |
全方位が行こうという離縁状 | 健 | |
幹事長吠える犬には首輪付け | 友一 | |
山一つ予算を超えて挑む基地 | みのり | |
春なのに花が咲かないマニフェスト | 宏孝 | |
支持率が花粉と共に中に舞い | 敬三 | |
平成の龍馬さみしや無人島 | 照生 | |
勝ち馬にそっとすり寄る党もあり | 同 | |
秀逸 | 支持基盤避けて仕分けの第二幕 | 砂都市 |
皇室に初体験の不登校 | 岩男 | |
生方にさせる民主のコマーシャル | 芳朗 |
宿題 自由 「開」 新谷みのり選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 更迭劇公開される非公開 | 砂都市 |
トキ受難開かぬ扉に死の隙間 | 友一 | |
開かれた皇室阻む宮内庁 | 正美 | |
公開をするにできない破棄文書 | 健 | |
開かれぬ国はグーグルお断り | 正美 | |
借金で開花民主の新年度 | 芳朗 | |
オープンな議論へ蓋の民主党 | 岩男 | |
中国の次に開拓するインド | 砂都市 | |
マニフェスト開くと匂う消費税 | 敬三 | |
公開法機密文書へやっと穴 | 岩男 | |
秀逸 | 政変に悟りを開く日本人 | 敬三 |
開港へ狸の皮を敷き詰める | 宏孝 | |
緞帳をまだ開けない基地移転 | 哲子 |
席題(ジャンル自由) 「線」 本田哲子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 平行線それもまたよし老夫婦 | 照生 |
直線がすぐ曲げられる永田町 | 宏孝 | |
普天間の熱い視線は徳之島 | 健 | |
曲線美皺にしちゃったダイエット | 敬三 | |
金運のあった手相の線が消え | 砂都市 | |
挫折した数だけ視野が広くなる | 砂都市 | |
越えられぬ線があります派遣職 | 照生 | |
与野党の平行線のカネ論議 | 敬三 | |
言論の自由にネット線を引き | 健 | |
アイライン極めて女ニューハーフ | 岩男 | |
秀逸 | 基地移転喫水線が定まらず | みのり |
郵政改革口三味線が先走り | 同 | |
ハトママのカネ二股の配線図 | 敬三 |
2月25日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
五月まで普天間双六先見えず | 良子 | 8 |
二匹目の泥鰌を狙う辞任劇 | 駿造 | 1 |
長崎も町田もノーを突きつける | 友一 | 8 |
幹事長頭を小突き鐘が鳴る | 哲子 | 14 |
金基地不況アキレス腱へ揃い踏み | 絹子 | 4 |
都知事にも国内移転儘ならず | 宏孝 | 5 |
聴聞へ揺れるトヨタのガバナンス | 岩男 | 11 |
バンクーバー真央ちゃん一人に負荷をかけ | 照生 | 8 |
平和賞同士が地味なランデブー | 敬三 | 13 |
ちゃんぽんの政治とカネで民主負け | 正美 | 15 |
公聴会にもブレーキがかからない | 健 | 12 |
長崎の鐘高らかに自民党 | 芳朗 | 10 |
小沢切らねば政権に明日はない | 寿寿夢 | 1 |
(評)
得点が分かれたように出来栄えも一長一短。
その中でダライラマの「平和賞」と新鮮な時事「公聴会」を採る。
初参加の「バンクーバー」は中七を「だけに」とすれば定形になる。
中七下五の維持は句のリズム安定に不可欠。
(て)
宿題 時事雑詠 福田岩男選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 長崎で江戸の仇を取る自民 | 健 |
腰パンがメダルに遠くずれ落ちる | 友一 | |
君が代を聞きたいときは国技館 | 敬三 | |
普天間を解けばノーベル魔術賞 | 敬三 | |
長崎の雨に打たれる民主党 | 芳朗 | |
新卒とハローワークで分けるパイ | 芳朗 | |
沖縄のヤブをつついて基地頓挫 | 照生 | |
秀逸 | 基地移転近くて遠い五月末 | 寿寿夢 |
バンクーバーの氷を溶かす真央とキム | 哲子 | |
ベストよりベターで通す民主主義 | 宏孝 |
宿題 自由 「床」 市川芳朗選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | カーリング選手が競う床磨き | 友一 |
年金の苗床に撒く子の手当て | 哲子 | |
床拭きが元気を貰うカーリング | 健 | |
灰色の寝床で小沢高鼾 | 宏孝 | |
フロアーマットトヨタの驕り剥がされる | 絹子 | |
野党病床上げできぬ自民党 | 敬三 | |
非核への悪の温床北の核 | 寿寿夢 | |
秀逸 | 床柱揺らぐトヨタの正念場 | 駿造 |
三党首同床異夢でいる与党 | 健 | |
床上げが遠い国債依存症 | 岩男 |
席題(ジャンル自由) 「加」 中野良子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 日韓の応援氷上で過熱 | 芳朗 |
炊き出しの列に見慣れぬ顔が増え | 岩男 | |
就活の苦さ甘さへ蕗の薹 | 絹子 | |
先住民加奈陀の歴史見る五輪 | 駿造 | |
選挙向けトヨタ叩きが加速する | 健 | |
変わっても金と政治の好い加減 | 宏孝 | |
怨念も加わるトヨタバッシング | 岩男 | |
秀逸 | 左遷地で身に付けたのは水加減 | 宏孝 |
勝てないと参加に意義という五輪 | 健 | |
クーベルタン地で行くような冬五輪 | 敬三 |
1月28日 於 千葉市中央コミュニティセンター
(12月は休会でした)
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
普天間にちょっぴり見えた五月晴れ | 宏孝 | 4 |
普天間へ辺野古へ明けぬ夜が続く | 絹子 | 11 |
ゼロベースという施策にある無策 | 砂都市 | 14 |
逆風のトヨタリコールへの焦り | みのり | 3 |
政権を道連れにする現総理 | 駿造 | 2 |
言うほうも無理と感じている五月 | 健 | 9 |
鳩ぽっぽ国の予算に四苦八苦 | 由香里 | 2 |
迷走の基地問題に泣くジュゴン | 岩男 | 6 |
品質のメッキが剥げて行くトヨタ | 芳朗 | 10 |
貴乃花覚悟で座る砂かぶり | 中)正美 | 11 |
推薦の市長が勝って喜べず | 友一 | 9 |
日米の同盟深化深刻化 | 敬三 | 7 |
検察やマスコ批判する民主 | 寿寿夢 | 2 |
(評)
半数以上が普天間関連。
その中では「明けぬ夜」「ゼロベース」「迷走の」は
句意が具体的で良い。
(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 国民に肩叩かれる幹事長 | 芳朗 |
ゼロベースつまり移転はしない意味 | 健 | |
摘発のXデーへネタの山 | 砂都市 | |
綱取りに日の丸欲しい日本勢 | 由香里 | |
氷河期のデパート街で凍死する | 岩男 | |
ふてくされJAL株券で鶴を折る | 駿造 | |
横綱に灸据え役が一人辞め | 友一 | |
冤罪に対し謝罪のない検事 | 芳朗 | |
秀逸 | 有楽町デパートの櫛一つ抜け | 正美 |
仮死状態で飛んでいるJALの羽 | 絹子 | |
党首討論はがゆさだけが時を食み | みのり |
宿題 自由 「登」 遠藤砂都市選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 検察に登った地位を揺さ振られ | 友一 |
再登頂シェルパが減った自民党 | 芳朗 | |
通りたい登竜門のチルドレン | 寿寿夢 | |
事あれば秘書が登場する習い | みのり | |
登記よりカネの出どこを探られる | 友一 | |
アバターの人気登場スリーD | みのり | |
政権の喘ぎが続く上り坂 | 岩男 | |
母の手で登り裸の王でいる | 絹子 | |
秀逸 | 友愛で登場した日までが華 | 健 |
連立の坂頂点へ歩が乱れ | みのり | |
一方が下がれば登るはずの支持 | 健 |
席題(ジャンル自由) 「良」 中島宏孝選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | ゼロベース良きにはからえ飛行場 | 芳朗 |
良策は望むに難いゼロ施策 | 絹子 | |
政権の支持率に出る優良可 | 芳朗 | |
造らねば良しと言わない八ッ場ダム | 健 | |
支持率が増えれば良しとする自民 | 健 | |
良質が売りのトヨタが見る悪夢 | みのり | |
来ても良いとは誰も言わない日本 | 健 | |
良縁と信じた後の花嵐 | 貞勇 | |
秀逸 | 内定の通知へ梅も弾みだす | 絹子 |
良識がもがく賢女の有夫恋 | 岩男 | |
良妻を演じ鋳型にはめられる | 岩男 |
11月26日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
マイケルの手に手が出ないオークション | 砂都市 | 8 |
聖域なき仕分けへ科学者の憤怒 | みのり | 9 |
国交省ダムよりJALに思い入れ | 駿造 | 10 |
献金の針がチクチク鳩時計 | 宏孝 | 12 |
横綱に大関の座を吊り出され | 友一 | 3 |
激安のもぐら叩きが止まらない | 哲子 | 7 |
東京の目線で見てる基地の島 | 岩男 | 6 |
聞く度に音色の変わる鳩の歌 | 敬三 | 10 |
仕分け人次は鳩山家の資産 | 芳朗 | 15 |
整形で逃れ市橋なる御用 | 由香里 | 1 |
OBが気になるJALのリカバリー | 中)正美 | 13 |
与野党が相手の過去の真似をする | 健 | 9 |
外交と内政ぶれている総理 | 寿寿夢 | 1 |
三兆へ遮二無二蓮舫突っ走る | 絹子 | 7 |
(評)
事業仕分け、鳩山政治資金、デフレ、基地など重厚な時事揃った。
完成度はほぼ同水準だがいずれも進歩の跡が伺える。
例えば「国交省」。八ッ場ダム廃止と航空会社再生を
対照的にみた複眼は作者の努力によるものだろう。
「献金の」「横綱に」「激安」「聞く度」「OB」が良いが、
今回のトップは「仕分け人」。二事象を並べての風刺は見事。
(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 超低空ジャル再生は五里霧中 | みのり |
逆仕分けされる必殺仕分け人 | 砂都市 | |
重鎮も惜敗率へ軽くなり | 宏孝 | |
スパコンに計算高い仕分け人 | 正美 | |
OBの年金飛ばすセレモニー | 宏孝 | |
翼の垢を五割カットで剥ぐつもり | 哲子 | |
機密費の仕分けはしない民主党 | 健 | |
就活に並んだAが泣いている | 宏孝 | |
増税の地ならしのためする仕分け | 敬三 | |
秀逸 | 各論になると省益首もたげ | 岩男 |
機密費の跡を濁して去る自民 | 芳朗 | |
新米の与党野党の模倣劇 | 敬三 |
宿題 自由 「光」 高橋敬三選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 二ヶ月で光薄れるマニフェスト | 友一 |
銀翼の光が翳る日航機 | 友一 | |
脚光を浴び見得を切る仕分け人 | 芳朗 | |
自転車のライトがかすむ自民党 | 芳朗 | |
栄誉賞ピリカが笑う空の上 | 正美 | |
脚光が目障りになるマニフェスト | 健 | |
観光も遊びも今は命懸け | 健 | |
雑居ビル光が遠い非常口 | 芳朗 | |
タイトルへ光る十八はにかまず | 砂都市 | |
秀逸 | 脚光を浴びて仕分けの頭が高い | 宏孝 |
官邸のミラーボールにある亀裂 | 宏孝 | |
普天間に波長の違う乱反射 | 岩男 |
席題(ジャンル自由) 「柚・柚子」 千葉絹子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 見目香り大和心がくすぐられ | みのり |
荒れ性の妻がゆず湯で遊んでる | 砂都市 | |
カサカサの肌へ今年も里の柚子 | 岩男 | |
カラスさえ酸っぱい柚子に目もくれず | 友一 | |
柚子胡椒ちょっぴり妻の隠し味 | 岩男 | |
柚の木につく毛虫まで柚くさい | 敬三 | |
点睛の柚子からあがるトレビアン | 宏孝 | |
ハスキーな喉へ柚子茶の手前味噌 | みのり | |
柚子ほどに先は待てないマニフェスト | 芳朗 | |
秀逸 | 日本にかけたい柚の搾り汁 | 敬三 |
酎ハイへ柚子一日がつつがない | 岩男 | |
生贄の助っ人もする柚子のトゲ | 友一 |
10月22日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
後任を民から官にする狗肉 | 宏孝 | 9 |
更迭の後に渡りを据えて見せ | みのり | 7 |
不可能を可能に青いバラが咲く | 絹子 | 6 |
八ッ場ダムに聞いてみましょうYESNO | 哲子 | 2 |
政権の肩に食い込むマニフェスト | 岩男 | 12 |
郵政に亀の消印押す人事 | 芳朗 | 11 |
銀行を踏み台にして飛ばす鶴 | 健 | 8 |
手荷物よりお荷物多い日航機 | 中)正美 | 6 |
円高で輸出企業が音を上げる | 駿造 | 0 |
副知事が我田引水するハブ化 | 寿寿夢 | 4 |
ダイナマイトを大統領の首にかけ | 敬三 | 9 |
下がる支持上る不支持の平和賞 | 砂都市 | 9 |
伸びきったヒモで自縛のマニフェスト | 良子 | 7 |
(評)
亀井が郵政新社長に元官僚を起用したことなど、
鳩山政権が抱える諸問題やオバマの平和賞が中心。
点数が示す通り水準はほぼ均衡だが、
国債の飽和状態を「伸びきった」とした比喩の
巧みさが特に目立つ。
他に「更迭の」「政権の」など6点以上の句は概ね成度が高い。
ミニ講話は、
事象を主観でなく大衆の一員として
客観視することの重要性。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 党内は子供を含め小沢色 | 寿寿夢 |
株券が紙飛行機になる予感 | 正美 | |
人の道までも脱線する会社 | 敬三 | |
大臣が査定をされるマニフェスト | 宏孝 | |
楽天を首になっても楽天家 | 砂都市 | |
沖縄のチェンジアウトにするゲーツ | 宏孝 | |
友愛に曇りガラスを張る金庫 | 芳朗 | |
無料化に感謝する人困る人 | みのり | |
冤罪へ誤審の埒は明かさない | 絹子 | |
秀逸 | 亀の顔でかくて鳩の顔見えず | 良子 |
郵政の顔へ渡りをデンと据え | 哲子 | |
ノーベル賞核拡散へ先手打ち | みのり |
宿題 自由 「臭」 福田岩男選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 政官の癒着悪臭断つチェンジ | 芳朗 |
弾道で乳臭をかぐ北の常 | 駿造 | |
裏門にだんだんひどい小沢臭 | 敬三 | |
官邸の生活臭がまだ来ない | 哲子 | |
地球からガスの臭いと血の臭い | 敬三 | |
マニフェスト醗酵させて消費税 | 敬三 | |
ゼネコンに見え隠れする利権臭 | みのり | |
天下りめく郵政の加齢臭 | 絹子 | |
無駄遣い異臭を一つ二つ抜き | 由香里 | |
秀逸 | ハブ空港タレント知事の臭い芸 | 砂都市 |
野党臭抜けずに主張する社民 | 健 | |
アフガンの死臭を持て余すオバマ | 宏孝 |
席題(ジャンル自由) 「古」 本田哲子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 鬼ごっこ妻が古傷ついてくる | 砂都市 |
音源の古さで光るビートルズ | 芳朗 | |
古民家が高級材で骨が売れ | 砂都市 | |
ご時世へ古い上着のまま自民 | 岩男 | |
沖縄の基地化を悔やむ古酒の味 | みのり | |
古さにも愛着がある一張羅 | 岩男 | |
古里をETCが近くする | 宏孝 | |
秀逸 | ミシュランに古都の評価は要らぬ世話 | 良子 |
古傷に蓋かんぽの宿は知らん顔 | 絹子 | |
自民党古新聞で生き残り | 貞勇 |
9月24日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
天下り渡りに舟の受け皿へ | よう子 | 1 |
友愛デビュー夫唱婦随の鳩が飛ぶ | 絹子 | 9 |
大臣をダムに沈めるマニフェスト | 友一 | 7 |
リーダーへちょっと背伸びの晴れ舞台 | 良子 | 6 |
予定地の中止ありきに残る杭 | 宏孝 | 8 |
敬老も五分の一の有難さ | 健 | 9 |
官僚が財源捻り競い合い | 駿造 | 6 |
ウルトラC難度へ模索増す八ッ場 | みのり | 8 |
巨大党腹に二匹のコバンザメ | 敬三 | 15 |
公約がもがき始める八ッ場ダム | 岩男 | 15 |
25に熱くなる国冷める国 | 芳朗 | 13 |
八ッ場ダム時の流れをせき止める | 中)正美 | 14 |
(評)
全体的に作品の出来は悪くない。特に後半の4句は
互選評価通り。どれも事象を正確に捉え表現に無駄もない。
「25」は総理が国際公約した温室ガス削減目標値。
「晴れ舞台」は主語の対象がいろいろかんがえられその分、難解。
「敬老」は5連休に埋没した敬老の日の寂しさだが、
助詞「も」が「は」になれば更によくなる。
「も」の使い方についてはこれまでも指摘しているが
句意を緩める(甘くする)ことになりかねないので注意。
ミニ講話は古川柳の定義について。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 八ッ場ダム国交省の試金石 | 駿造 |
総裁選のぼりしょんぼり村祭り | 敬三 | |
巨人より気になる三位決定戦 | 友一 | |
B面に小見出し自民党首選 | 岩男 | |
五連休老母息子の肩を揉み | 良子 | |
マニフェスト無駄とダムとの板挟み | 宏孝 | |
シルバーウイーク地球破滅の大軍団 | 絹子 | |
ダムよりも深い八ッ場の明と暗 | 絹子 | |
秀逸 | 入園児見ているような有権者 | 敬三 |
しんちゃんが涙で濡らす太い眉 | 友一 | |
ボリュームを下げて自民の党首選 | 芳朗 |
宿題 時事 「音」 新谷みのり選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | ビー面の音源になる自民党 | 芳朗 |
爆音を早く移せと基地の島 | 宏孝 | |
音に聞く豪腕しばし鳴りひそめ | 宏孝 | |
普天間の基地騒音の半世紀 | 岩男 | |
戦略室軍靴の音を連想し | 友一 | |
主替わり軋む霞ヶ関の壁 | 岩男 | |
連立で不協和音を呼ぶ予感 | 駿造 | |
快音で一番乗りのジャイアンツ | 友一 | |
秀逸 | 八ッ場ダム涙の溜まる音がする | 敬三 |
音無しの車に人が音を上げる | 宏孝 | |
音速で増えてるJALの赤字額 | 正美 |
席題 自由 「新」 守谷友一選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 新しい顔も描けない自民党 | 良子 |
新人が増える民主の新学期 | 芳朗 | |
サミットへ鳩ホヤホヤの意気披露 | みのり | |
新月が照らす棚田の老いの影 | 絹子 | |
新米も大手振ってるマニフェスト | 宏孝 | |
マニフェスト金科玉条新総理 | 健 | |
ムダ使いだけが財源新政府 | 健 | |
初デビュー友愛理念評価受け | 摺造 | |
秀逸 | 新大臣削減案のコンテスト | 敬三 |
羽化をした蝶々が群れる永田町 | みのり | |
新兵は挙手要員の民主党 | 岩男 |
8月27日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
自民党の馬脚もつれる夏の陣 | 絹子 | 10 |
六カ国から日本だけ浮いていく | 砂都市 | 4 |
裁判所にはなしことばが甦る | 哲子 | 12 |
ビューティフルサンデー歌う民主党 | 宏孝 | 15 |
だんだんと野党に見えてくる与党 | 友一 | 10 |
ワクチンも問題となる自給率 | 正俊 | 16 |
土壇場の修羅へ汗するマニフェスト | みのり | 2 |
漫画好き動画へ移す主戦場 | 健 | 3 |
日本を変える日の丸継ぎはぎに | 敬三 | 10 |
大物が刺客に惑う一騎打ち | 駿造 | 9 |
のりピーで夏枯れ凌ぐTV局 | 良子 | 11 |
総選挙与党そこのけ民主党 | 芳朗 | 10 |
キムデジュン死してミサイル核残し | 中)正美 | 5 |
出口より先に勝敗世論決め | 寿寿夢 | 12 |
(評)
互選の評価が割れたように、二桁得点の完成度は
概ね横並び。その中から「ワクチン」が抜け、次いで「自民党」
「だんだん」「大物」「のりピー」「出口あたりが平均点。
「裁判所」は助詞「に」を除くか「法廷に」とすれば
定型に収まる。他の作品も可能な限り定型にしたい。
また、句が日本語として正確になるように注意したい。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 脅しから対話に変える北の肚 | 駿造 |
警官が危険運転してみせる | 健 | |
一晩で古紙に変ったマニフェスト | 砂都市 | |
責任の字だけは読めて嘘くさい | みのり | |
下馬評に乗るなと叫ぶ勝軍 | 宏孝 | |
両校にあげたくなった優勝旗 | 友一 | |
マラソンの銀で溜飲下げた夏 | 絹子 | |
やり投げがメダルの壁を突き抜ける | 正俊 | |
秀逸 | インフルがっ出鼻をくじく新学期 | 友一 |
衆参のレールねじれが戻りだす | 芳朗 | |
民主党狸の皮でモーニング | 敬三 |
宿題 時事 「氷」 遠藤砂都市選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 氷の刃踏んで責任論を撒き | みのり |
民主党オンザロックの美酒を酌む | 芳朗 | |
弔問で北の氷河がとけ始め | 健 | |
今しゃべらねばと氷の軍靴歩き出す | 哲子 | |
カチワリを溶かし球児の夏終る | 友一 | |
薄氷の上に乗せてるマニフェスト | 正美 | |
新型に氷枕じゃ済まぬ夏 | 宏孝 | |
秀逸 | 真夏でも三面記事で凍りつき | 敬三 |
独り飲むオンザロックに歪む口 | 宏孝 | |
茹で上がる地球へ氷河大移動 | 絹子 |
席題 自由 「結」 中島宏孝選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 老老へ妻と結んだ相互扶助 | 敬三 |
キムデジュン北と南を二度結び | 健 | |
投票へ結果見え見えだけど行く | 哲子 | |
マスコミが結果を決める選挙前 | 友一 | |
一票を売ります結果見えている | 敬三 | |
マラソンの師弟を結ぶ銀メダル | 芳朗 | |
お結びのパワーが粘る甲子園 | 正俊 | |
民主勝ち減るか結婚恐怖症 | 健 | |
秀逸 | 官僚が手ぐすねひいている結果 | 哲子 |
読みちがいの結果民意も読みちがい | 健 | |
結論が先で選挙がやりにくい | 芳朗 |
6月25日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
エコ騒動CO2の前倒し | 敬三 | 2 |
宮崎でジョークの藁を掴まされ | 砂都市 | 15 |
知事室へ伸ばした触手あしらわれ | みのり | 10 |
冗談でしょ冗談じゃないたたき上げ | 良子 | 1 |
遺伝子に礼足利の塀を出る | 哲子 | 7 |
マンゴーとセットで売れる知事の椅子 | 貞勇 | 6 |
辞任劇中から崩れる自民党 | よう子 | 1 |
北の国批判無視して核の基地 | 由香里 | 2 |
郵政の呪縛総理の呻き声 | 岩男 | 11 |
後出しのチョキがまさかのVサイン | 宏孝 | 1 |
イレブンのフランチャイズに溜まるゴミ | 芳朗 | 11 |
コンビニへ足が遠のくホームレス | 中)正美 | 13 |
救急の裏で密かに待つ脳死 | 健 | 14 |
天の声知らぬと突っぱねる小沢 | 寿寿夢 | 2 |
こけにされ麻生おろしが急を告げ | 駿造 | 9 |
パニックを煽り自民の古賀誤算 | 絹子 | 5 |
(評)
作者の思いを読者に伝えるためには
客観的に句を推敲することが求められる。
作者だけが解り読者には難解な句が数句見られた。
今回は「ジョークの藁」が大きく他を圧倒し、
「遺伝子」、「コンビニへ」が及第点で続く。
「エコ」「救急の」には視角の面白さがあるのだから
言語表現に工夫が欲しいところ。
7月教室は例年通り夏休みとなる。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 一郎を打つより打つ手ない自民 | 健 |
そのまんまの本気へうろたえる自民 | 哲子 | |
郵政の社長ボクサー並ボディ | 敬三 | |
冤罪に裁判員の後退り | 岩男 | |
DNA真犯人がほくそ笑む | 宏孝 | |
弁当へ見切り解禁いい気分 | 宏孝 | |
骨太という骨抜きのマニフェスト | 砂都市 | |
秀逸 | コンビニの時計を睨む夕餉時 | 絹子 |
総裁の椅子漫談の舌に乗り | 敬三 |
宿題 時事 「半」 千葉絹子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 裁判員のぞきたい気も半分こ | 哲子 |
半分は本音とジョークから火種 | 砂都市 | |
半煮えの法案次々皿に盛り | 良子 | |
連立がもう溶けそうな半田付け | 宏孝 | |
政権のチェンジにドアは半開き | 芳朗 | |
宮崎を半信半疑で帰る古賀 | 正美 | |
いつまでも半ばと思う拉致の道 | 哲子 | |
秀逸 | 核ボタン半人前が握りそう | 砂都市 |
人生の後半無駄にした無実 | 岩男 |
席題 自由 「梅雨」 橋敬三選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 梅雨明けが遠い雑多な景気策 | みのり |
五月雨へ角出している洗濯機 | 宏孝 | |
梅雨明けの予想もつかぬ右下がり | 宏孝 | |
豪快に笑って梅雨にいる無策 | 砂都市 | |
梅雨晴れ間ビニール傘の独り旅 | 宏孝 | |
郵政のどろんここねて梅雨期へ | 絹子 | |
都会暮らし恵みの雨に見えぬ梅雨 | 良子 | |
秀逸 | 裁判員制度も梅雨もウツの種 | 絹子 |
梅雨時も急かす余生の砂時計 | 砂都市 |
5月28日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
GMが破綻濃厚騒ぎ立て | 駿造 | 0 |
国連の無力を北が証明し | 友一 | 10 |
矢切でも長良川でも晴れた空 | 宏孝 | 5 |
北のドン上げる危険な決闘値 | 芳朗 | 8 |
地下でなく首都ピョンヤンでお試しを | 砂都市 | 8 |
日本中シケに揉まれて去る党首 | 由香里 | 2 |
ミサイルと核 火祭りの無節操 | みのり | 9 |
医者役者票の亡者の世襲制 | 敬三 | 3 |
磐石へ遮二無二走る北の国 | 哲子 | 8 |
新型へ有事想定テストされ | 岩男 | 16 |
代表を降りても同じ穴に住む | 寿寿夢 | 14 |
剣道も脇の甘さが目立つ知事 | 中)正美 | 11 |
つけたいと思う時にはマスクなし | 健 | 7 |
代表代行鳩を使った腹話術 | 絹子 | 8 |
庇貸して千秋楽は蚊帳の外 | 良子 | 10 |
(評)
「GM」に時事性はあるが事象の報告で終っている。
その周辺にあるものを見て欲しい。
「北のドン」の造語は糖尿病を暗示。
二桁得点句はどれも及第。
その他では世襲を新視点で捉えた「医者」と
核実験を軽く風刺した「地下でなく」を採る。
「庇貸して」の「て」は不要。
ミニ講話は
「作者の意見は背後に置き、読者に押し付けない」論(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | ウイルスを避ける高速安値市 | 由香里 |
民主党表奉行に裏奉行 | 敬三 | |
見境を無くした北の空きっ腹 | 宏孝 | |
自転車をこぐGMの経営者 | 芳朗 | |
馬乳酒を回し飲みする大賜杯 | 宏孝 | |
友愛で灰汁抜きをする民主党 | 友一 | |
百年を八百にした保険庁 | 宏孝 | |
秀逸 | 瀬戸際で金王朝の政治ショー | 岩男 |
遠近のメガネがずれた党首論 | みのり |
宿題 時事 「石」 本田哲子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 石のまま黙る新顔ホームレス | 砂都市 |
無党派へ布石打つにもツボがない | 敬三 | |
石ころを先生などと呼ぶ世襲 | 友一 | |
磐石なものなどないと知る不況 | 良子 | |
石の上がんばる前に取り消され | 良子 | |
焼け石に水少子化へ注ぐ予算 | 岩男 | |
世界中磁石は北の国を指し | 健 | |
秀逸 | 北の字を見ると心が石になる | 敬三 |
マスク旋風日本人が化石めく | 絹子 |
席題 自由 「激」 福田岩男選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 激論を演じてみせる孫同士 | 敬三 |
激辛の主文を妻が読み上げる | 砂都市 | |
ウイルスの煽り列島総マスク | 絹子 | |
激流に友愛論を打つ育ち | みのり | |
増産のマスクと激減の旅行 | 哲子 | |
感激も感動もない妻のミニ | 宏孝 | |
店長の激務が耐えるあばら骨 | 砂都市 | |
秀逸 | まだ刺激欲しくて出会い系メール | 宏孝 |
激辛のレシピへ北の居丈高 | 宏孝 |
4月23日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
漢検の鬼を追い出す適役者 | 砂都市 | 3 |
県知事も市長も千葉へ泥パック | 絹子 | 18 |
百万で知事の座 投げる市長の座 | 宏孝 | 11 |
心あらば口を開いてカレー鍋 | 哲子 | 11 |
富士川の平家笑えぬ自衛隊 | 敬三 | 2 |
新知事の足を引っ張る千葉市長 | 友一 | 4 |
県へ市へ怒りのメールどっと混む | 良子 | 7 |
消費者をなめた日立のエコ偽装 | みのり | 10 |
増えぬはず当直手当ないお医者 | 健 | 3 |
敵失に枕を高くする総理 | 岩男 | 10 |
下取りに出したい一郎と太郎 | 芳朗 | 11 |
十年もかけて煮詰まる毒カレー | 中)正美 | 24 |
足元や空見て守る身の危険 | 寿寿夢 | 6 |
拉致家族悪戯の北に水鉄砲 | 由香里 | 4 |
一郎が政権奪取に秘策秘め | 駿造 | 0 |
(評)
知事は無党派問題、市長は収賄逮捕と揺れる地元ならではの
作品が宿題・席題を含めて見られ、その他でも事象を俊敏に捉える
作家たちの面目が発揮された。
「漢検の」は弁護士の名がヒント。
「百万で」は知事の百万票と市長の百万円。
「一郎が」は作者の句意に従えば「政権へ辞任の策も党首秘め」あたりか。
粒が揃った作品の中から「泥パック」と「十年も」の二句を採る。
今回はミニ講和は横浜と同じ。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 天の声逮捕市民の意をなぶる | みのり |
ここへ来て機首をもたげる麻生節 | 絹子 | |
気に入らぬが要らぬと言わぬ給付金 | 良子 | |
タイ旅行赤と黄色のシャツは脱ぎ | 友一 | |
裁判員出鼻にきつい毒カレー | 敬三 | |
ミサイルに国連がする口答え | 敬三 | |
パン屋から漢検までの点と線 | 砂都市 | |
秀逸 | 公明を当て馬にする解散日 | 岩男 |
和歌山でやっとメニューにのるカレー | 友一 |
宿題 時事 「多」 中野良子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 正論を外しまとめる多数決 | 駿造 |
給付金多いと言った人はゼロ | 友一 | |
懐を多少うるおす給付金 | 友一 | |
政権へ多難の相が出る民主 | 芳朗 | |
この国じゃ暮らしが立たぬ多産系 | 宏孝 | |
滅多には動画にならぬ北のドン | 宏孝 | |
漢検に難問多く出ぬ答え | 健 | |
秀逸 | 多機能に単細胞が不貞寝する | 敬三 |
蓄財に多機能がある漢検協 | 正美 |
席題 自由 「千」 守谷友一選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 千円で買うデパートの巻き返し | 哲子 |
葬式のスタイル変えた千の風 | 健 | |
退院の空が恋しい千羽鶴 | 宏孝 | |
政界に種は尽きない千一夜 | 敬三 | |
知事市長千葉のひんしゅく売りに出だす | みのり | |
テポドンで千人針を思い出し | 健 | |
連休は千葉へ手招く海ほたる | みのり | |
秀逸 | 新知事の名詞の裏は千葉都民 | 芳朗 |
芸術のように千枚田が光る | 砂都市 |
3月26日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
次々と裏工作が暴かれる | 寿寿夢 | 3 |
さくらさくら侍ジャパン世界一 | 絹子 | 4 |
給付金高速使い花の旅 | 駿造 | 5 |
イチローと一郎が泣く昼と夜 | 砂都市 | 13 |
落城のようにも見える吉田邸 | 敬三 | 13 |
天才は忘れた頃にやってくれ | 宏孝 | 11 |
続投の涙へ止まぬ波颪 | みのり | 7 |
低空の飛行に馴れてきた総理 | 岩男 | 13 |
イチローはすっきり一郎はもやっ | 哲子 | 2 |
代表が手かせ足かせ民主党 | 芳朗 | 14 |
海ほたる売店までが光りだす | 正美 | 15 |
(評)
「次々と」は事象が特定できる主語が欲しい。
「続投」も同様だがこちらは推測可能。
「天才」はイチローの代名詞と今は推測できるが時間が経つとどうか。
「イチローすっきり」は下五の字足らずが句を壊した。
新しさへの探究心は買うがほどほどに。
横浜教室の互選に同想句があるので見比べるのも勉強。
「さくら」「給付金」は春らしい時事。
重苦しいニュースが多い中で晴れやかな句もいいもの。
出来栄えは「低空の」が抜き出て、
「イチウーと一郎」「落城」「代表」「海ほたる」が横一線で追う。
今回はミニ講和に代え、出席者全員で作品を鑑賞しながら添削すr作業をした。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | ざる方にダミー献金大きすぎ | 岩男 |
ひょっとして麻生で選挙勝てるかも | 駿造 | |
飛鳥山花にそむいてつまむ鼻 | 芳朗 | |
サムライとトムライで沸く09年 | 正美 | |
受け皿で火あぶりになる高齢者 | 敬三 | |
官邸の緊張煽る発射台 | みのり | |
秀逸 | 続投に空席目立つ外野席 | 宏孝 |
侍のセールに遅い給付金 | 芳朗 |
宿題 時事 「転」 新谷みのり選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 年金が成仏できぬ転記ミス | 宏孝 |
検察に転嫁一郎ねばり腰 | 敬三 | |
変転の序幕でもがく民主党 | 砂都市 | |
たまゆらに転ばぬ先の杖がない | 正美 | |
頂点に立つと二世の転び癖 | 岩男 | |
与野党が息ひそめ合う土俵際 | 絹子 | |
秀逸 | ジャンボ機を転がす風のへそまがり | 哲子 |
オフレコに尻尾を巻いた輪転機 | 宏孝 |
席題 自由 「原」 中島宏孝選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 原石が町にごろごろ新年度 | 芳朗 |
懐手党首が撒いた地雷原 | みのり | |
原爆の恐ろしさ知る被爆国 | 駿造 | |
フラットとシャープが取れる原信夫 | 芳朗 | |
宇宙遊泳夢に野原の宙返り | 絹子 | |
給付金所詮原資は民の税 | みのり | |
秀逸 | 原稿はこう読むものとオバマさん | 哲子 |
与野党にある西松の地雷原 | 敬三 |
2月26日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
酔眼酩酊転がり落ちたダルマの目 | みのり | 3 |
上客と持ち上げといて飯出さず | 良子 | 12 |
回らない呂律世界を駆け巡り | 宏孝 | 12 |
新聞社の脱税たたく新聞社 | 砂都市 | 6 |
酒としか思えぬ恥を曝け出し | 駿造 | 2 |
オバマ案に米百俵が輸出され | 健 | 2 |
白酒がない閣僚のひな祭り | 友一 | 14 |
オバマさんこんにちはではさようなら | 哲子 | 11 |
内閣へつみきのいえとおくりびと | 敬三 | 9 |
取り替えが底つく選挙用の顔 | 岩男 | 16 |
しぶがきが甘柿になるおくりびと | 芳朗 | 15 |
酩酊で落す看板泣く地盤 | 正美 | 13 |
懐手して棚ぼたを待つ小沢 | 寿寿夢 | 11 |
日本丸託せる人が見当たらぬ | 絹子 | 4 |
(評)
「上客」「オバマさん」は総理訪米への同想だがしれぞれに風刺がある。
この二句と「回らない」「白酒」「取り替え」が得点に見合う出来栄え。
ミニ講話は「隠語」。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 絵に描いた餅を老後は食えと言う | 良子 |
七割の前で一割見得を切る | 宏孝 | |
公邸もつみきのいえになっている | 宏孝 | |
衛星の乗客になるパイロット | 芳朗 | |
お土産のない外遊に勢を出し | 友一 | |
小浜から酒田へ移る盛り上がり | 友一 | |
秀逸 | プーチンの相手が見えぬ五月闇 | 宏孝 |
死に体が白いお家に命乞い | みのり | |
大統領賞味期限の順に呼び | 敬三 |
宿題 時事 「寒」 橋敬三選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 塩漬けのカブも凍える閉塞感 | 良子 |
年金の試算お寒い率並べ | 哲子 | |
支持率に寒さを感じない総理 | 健 | |
国辱の悪寒を嗤いたいワイン | みのり | |
寒風と不況に暖気アカデミー | 芳朗 | |
自民党三寒無温の花見時 | 健 | |
秀逸 | 政界を泣いて笑って寒くなる | 砂都市 |
寒すぎる景気に地球温暖化 | 宏孝 | |
無造作にふたつの命摘み取られ | 哲子 |
席題 自由 「頭」 遠藤砂都市選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 生命線伸びれば縮む頭脳線 | 宏孝 |
領袖の右往左往がやかましい | みのり | |
船頭を代えても変らない自民 | 岩男 | |
子供らの頭脳がしぼむメール漬け | 哲子 | |
盟友がの頭ごなしにパッシング | 駿造 | |
核弾頭の気配チラチラ懲りぬ国 | みのり | |
秀逸 | ライオンに総理おつむを噛み付かれ | 友一 |
婿殿にお頭贈る樹木稀歯林 | 友一 | |
給付金かんぽの宿の頭金 | 敬三 |
1月22日 於 千葉市中央コミュニティセンター
(12月はお休みでした)
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
風読めず漢字も読めずまだ辞めず | 宏孝 | 11 |
人種差別蜂起の風情人の波 | みのり | 5 |
馬の背の富士がようようなれてきた | 敬三 | 3 |
カラ金庫覗くオバマの初仕事 | 貞勇 | 14 |
厚労省架空改革お手の物 | 駿造 | 2 |
麻生よりオバマに期待する日本 | 友一 | 8 |
チェンジへイエスウイキャン肩を組み | 岩男 | 3 |
朝刊が火傷しているオバマ熱 | 哲子 | 19 |
オバマへは祝儀を出さぬウオール街 | 芳朗 | 11 |
遅ればせながら海賊討ちに行く | 寿寿夢 | 9 |
ママパート子供はニートでパパ派遣 | 正美 | 7 |
休戦の楼閣が建つガザの砂 | 健 | 16 |
アメリカと日本の支持と不支持率 | 砂都市 | 3 |
腐ってもタイ国示す就任式 | 良子 | 2 |
アメリカのチェンジに肖りたい日本 | 絹子 | 7 |
(評)
「馬の背」は大相撲。各句ほぼ得点に見合う出来で
「朝刊」「休戦」が良い。多くの作品が、最大級の時事である
米新大統領始め大きな事象に挑戦した。
その積極的な姿勢を評価したい。
ミニ講話はパロディーの実例。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 悪役をけなして褒めるのもメディア | 健 |
ハドソン川鳥ストライク客セーフ | 正美 | |
理念なき政治に揺れる消費税 | 岩男 | |
役人のワークシェアは天下り | 敬三 | |
何だかんだ言いつつ欲しい給付金 | 絹子 | |
四つに組むベースアップとワークシェア | 芳朗 | |
リンカーン発キング経由でオバマ着 | 敬三 | |
秀逸 | 頑なにオバマに乗らぬ兜町 | 哲子 |
公邸にマンガ抱えてお引っ越し | 友一 | |
おにぎりとタポスに負けた百貨店 | 宏孝 |
宿題 時事 「病む」 千葉絹子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 病むトヨタ車は急に止まれない | 良子 |
組織ごと裏金病があばかれる | 砂都市 | |
寝たきりをまた起こされる消費税 | 貞勇 | |
孤独氏を徐々に加速の都市砂漠 | 岩男 | |
歴代を襲う投げ出し病の影 | 岩男 | |
病垂れで書いてしまった麻生のア | 友一 | |
トヨタから震えてみせる2009 | 敬三 | |
秀逸 | 内閣の病巣になる給付金 | 芳朗 |
油切れ派遣の首が回らない | 哲子 | |
天引きに病むに病まれぬ長寿国 | 宏孝 |
席題 自由 「集」 本田哲子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 全集は処女で古本屋に置かれ | 敬三 |
限界の集落今日も雪の中 | 岩男 | |
職安で白紙のままの募集欄 | 貞勇 | |
結集で火となる派遣労働者 | 砂都市 | |
支持見据えああだこうだの稚魚が群れ | みのり | |
収集家オバマのお面買いあさり | 友一 | |
客集め地下が頼りの百貨店 | 芳朗 | |
秀逸 | 給付金ネットカフェにも陽を集め | 絹子 |
病院が集団風邪を流行らせる | 貞勇 | |
地球儀が寄り目になったチェンジ劇 | 絹子 |
11月27日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
打ち込みも投げ込みもあるゴルフ場 | 正俊 | 10 |
せいだ病絶句のおまけまで付ける | 哲子 | 10 |
釣り針の餌に仕掛ける二兆円 | みのり | 16 |
タイ国に駄目な首相が二人いる | 砂都市 | 1 |
犬死を次官にさせた勘違い | 貞勇 | 15 |
オバマ氏が緑の内需呼び起こす | 駿造 | 0 |
飼犬のために人生勘違い | 絹子 | 6 |
キャプテンが悪酔いしてる難破船 | 岩男 | 10 |
レズ疑惑晴れてツヨシのなが廃り | 宏孝 | 2 |
大関で馬を乗り換え目指す富士 | 芳朗 | 15 |
平成は大麻のすすめ競い合い | 敬三 | 5 |
青年よ大麻いだけとネット言い | 正美 | 7 |
日本にもある無差別の怖いテロ | 寿寿夢 | 8 |
補正より修正先とする総理 | 健 | 5 |
(評)
筆者は「せいだ病」を理解できなかったが自己の境遇への不満を
「○○のでいだ」と他へ転嫁する性向だと討論の中で知った。
もと事務次官を殺傷し逮捕された小泉毅のような人間をさす。
「キャプテン」は比喩の多用で主題が見えないので、上五を「宰相」とすれば
日本だと分かる。「レズ」は白熊のことだが時事としては小ぶり。
「大関」は狂句仕立て。今回は「釣針」が他を圧倒した。
ミニ講和は、主観句と客観句の違いと、句を描写する技法について。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 鬱屈のマグマ底辺から刃 | 岩男 |
各界へ陽射しひとすじ日馬富士 | 絹子 | |
インフレの特効薬は備蓄米 | 砂都市 | |
失言と誤読とブレの三つ巴 | 正俊 | |
埋蔵金よりも当面軍資金 | 宏孝 | |
理不尽な動機に犬の点とい線 | 芳朗 | |
秀逸 | 頻繁にミスをするなと広辞苑 | 哲子 |
木枯らしに舞う生煮えの給付金 | 絹子 |
宿題 時事 「温」 遠藤砂都市選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 党首討論温度差をたしかめる | 貞勇 |
人間の温みを奪う都市砂漠 | 岩男 | |
給付金ずるずる温度下げている | 哲子 | |
ウオーミングアップが長い総選挙 | 敬三 | |
ぬるま湯に春まで浸す給付金 | 貞勇 | |
久々にテレビが温い日馬富士 | 絹子 | |
秀逸 | 温度差のある与野党の危機意識 | 健 |
サブプラに低温火傷した株価 | 宏孝 |
席題 自由 「振」 福田岩男選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | ムンバイのテロへ一命あたら振り | みのり |
海外派兵向う磁石の針が振れ | 砂都市 | |
乱高下株価の針が振り切られ | 貞勇 | |
十二年振りは鈍らぬクルム伊達 | 正俊 | |
振り逃げを狙って延ばす解散日 | 貞勇 | |
秀逸 | 三振が続く総理の迷語録 | 絹子 |
仮名を振る仕事が増えた首相秘書 | 宏孝 |
10月23日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
医者もベッドも無いと名ばかりER | 紀子 | 5 |
乾杯の快挙頭脳のカルテット | みのり | 10 |
解散を迫る小沢に病魔つき | 駿造 | 6 |
解散へ不調和音の秋の風 | 貞勇 | 6 |
荒波にトヨタが乗せる超小型 | 芳朗 | 12 |
ザイゼリアピザが逃げ出す霧の中 | 絹子 | 2 |
毒物の名で舌をかむ食の秋 | 友一 | 11 |
六カ国協議へ邪魔にされる拉致 | 岩男 | 12 |
打つ手なく先手観音賊の手に | 良子 | 4 |
猫の目に日の目を見ない選挙カー | 宏孝 | 7 |
中国をなじりバブルの垂れ流し | 敬三 | 1 |
素粒子を肴にしてる縄のれん | 寿寿夢 | 10 |
事務用品なくても出来る不正処理 | 健 | 6 |
また一つ覚えられない毒が増え | 正美 | 12 |
(評)
総体的に出来栄えは安定しており、得点ほどの差はない。
教室発足当時と比較すると格段に進歩していることが分かる。
一部に説明の重複が見られるが、短詩では無駄な言葉の整理と省略は
不可欠なので、しっかり推敲したい。
「乾杯の」「荒波に」「六カ国」「素粒子」「また一つ」などが
水準を保って一線に並んでいるが、
「毒物の」と「猫の目」がそれより一歩先行した。
ミニ講話は、秀句といわれている作品を鑑賞しながら自由な討論で分析し合った。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 八百長は相撲取る前アポを取り | 正美 |
日銀が底を覗いてみる景気 | 芳朗 | |
格差とは 総理夜毎のセレブ振り | 紀子 | |
迷宮の扉閉ざしたロス疑惑 | 良子 | |
給食はパンの食べ方から教え | 友一 | |
豪邸で庶民目線という総理 | 岩男 | |
秀逸 | 貢物みたいに見えるテロ解除 | 敬三 |
年毎に変る総理とダイエット | 宏孝 |
宿題 時事 「完」 大城戸紀子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 完走へ二代続けて総理転け | 岩男 |
完敗は認めたくない拉致議連 | 宏孝 | |
解散日完熟トマト腐り出す | 貞勇 | |
燃え尽きて完 惜しまれる緒方拳 | みのり | |
ミラクルも完遂させたジャイアンツ | 正美 | |
劇場も世襲で並みのエピローグ | 敬三 | |
秀逸 | 白黒が未完のままにロス疑惑 | 岩男 |
完全に想定外の窒息死 | 良子 |
席題 自由 「全」 大城戸紀子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | Z旗を全ブロックに小沢吼え | 岩男 |
ロス疑惑黙秘異国の露と消え | 絹子 | |
船頭がオールジャパンに決まらない | 貞勇 | |
全能の叡智も読めぬ負の連鎖 | みのり | |
全身へ回る農薬少しづつ | 芳朗 | |
秀逸 | 年寄りを全裸のようにする福祉 | 友一 |
9月25日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
放鳥のトキへ山野よ青くあれ | 紀子 | 5 |
バラマキでお前百歩とあげつらい | 健 | 8 |
大臣が仲良く掛けるパイプ椅子 | 宏孝 | 10 |
日本の年次行事の首相選 | 砂都市 | 10 |
汚染したタバコのニュース待つかかあ | 良子 | 4 |
リーマンの破綻で野村株を上げ | 駿造 | 13 |
秋桜のように優子りん植込まれ | 哲子 | 1 |
中国の六つ目の輪は汚染の輪 | 敬三 | 11 |
枠組みへ暗夜航路の永田町 | 岩男 | 5 |
新しい帽子も古い自民党 | 貞勇 | 11 |
祝宴に吉田茂も顔を出す | 芳朗 | 11 |
事故米を撒く国産のステータス | みのり | 7 |
サブプライム世界に撒いた汚染米 | 正美 | 7 |
台風の目に十二区がなる気配 | 寿寿夢 | 6 |
新組閣賞味期限もちらつかせ | 絹子 | 11 |
得点が示すように、特に抜き出たものはないが、多くの作品が一定の水準を維持して均衡。
その中で「バラマキ」「大臣が」「リーマン」「中国」「新組閣」が半歩抜けている。
「汚染した」は、ユニークな視点で面白いが、下五表現に難。
ミニ講話は、前句付けからの川柳史をテスト風に。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | ワンマンの船出に見える祖父の顔 | 健 |
嬉しそうに毒入り酒と妻が止め | 良子 | |
四度目の正直もある慣用語 | 砂都市 | |
百七年打破へ小兵の大記録 | みのり | |
中国にメの付く害が多すぎる | 哲子 | |
死に体のブッシュに刺さる髑髏の矢 | 岩男 | |
秀逸 | 農相の賞味期限は舌が決め | 敬三 |
汚染米食べて元気な長寿国 | 正美 |
宿題 時事 「耳」 市川芳朗選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 王勇退茶の間で耳が項垂れる | 絹子 |
世界中キムの鼓動に聴診器 | 敬三 | |
敬老の日にない耳よりな話 | 寿寿夢 | |
リーマンの破綻寝耳に水の株 | みのり | |
官庁の工事を仕切る馬の耳 | 宏孝 | |
耳よりな話へ駆ける汚染米 | 貞勇 | |
秀逸 | 目と耳にカビが生えてた検査官 | 正美 |
一円へ聞き耳立てる物価高 | 岩男 |
席題 自由 「外」 大城戸紀子選
入選 | 句 | 作者 |
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佳作 | 外交のデビュウに御供するマンガ | 芳朗 |
公園の子供が消える東金市 | 貞勇 | |
食の安全内と外から伸し掛かり | 哲子 | |
平成の派閥外反母趾の鬱 | 岩男 | |
外国が胡散臭げに見る和食 | 絹子 | |
グランプリ常識外へ棲む鬼才 | 砂都市 | |
秀逸 | 黒船へ徳川以来ポチになる | 敬三 |
外米に汚名もきせる汚染米 | 貞勇 |
8月28日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
農相の椅子は温もる暇がない | 友一 | 17 |
百億へ貢献ポニョで夏を締め | 絹子 | 5 |
後のない星野ジャパンが金縛り | 駿造 | 4 |
モンゴルへ飾る錦にひもが見え | 良子 | 18 |
毒蛇飼う隣に身の毛弥立つ人 | 紀子 | 1 |
世界新左も右もLR | 宏孝 | 1 |
この国じゃ口パクなんか序の口さ | 不取留 | 5 |
漕ぎ出しへオール揃わぬ福田丸 | 岩男 | 14 |
祭り済み北の駄々っ子顔を出す | 哲子 | 9 |
先生は商品券の要る世襲 | 敬三 | 3 |
事務所費はやかましくない秘書の家 | 芳朗 | 13 |
劉翔とみずきで解る国レベル | 正美 | 0 |
時期首班ナンバーツーを押す世論 | 寿寿夢 | 1 |
タリバンの仕打ちにやり場ない怒り | 健 | 5 |
咳一つさせずに国威が幕を閉じ | みのり | 19 |
鳥の巣にアスリートらの夢の跡 | 砂都市 | 5 |
チベットへ火の粉を残す聖火台 | 貞勇 | 18 |
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | ヒトラーがお主やるなと言う北京 | 敬三 |
アフガンのテロへ無力なボランティア | 絹子 | |
鳥の巣に今はメンツのかけらだけ | 友一 | |
産院で続く康介ちゃんラッシュ | 友一 | |
乗用車値上げ先導するトヨタ | 芳朗 | |
よそゆきの北京素顔に戻る秋 | 良子 | |
アフガンに一途の命テロが食い | 岩男 | |
秀逸 | 星野ジャパン現地解散して帰り | 砂都市 |
相撲史に力士解雇の新ページ | 寿寿夢 | |
瓜二つ置いて事務所がやかましい | 宏孝 |
宿題 時事 「朝」 福田岩男選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 朝刊に贔屓チームを見る辛さ | 不取留 |
朝食は和風に変えるパン屋さん | 芳朗 | |
朝顔がしぼむ党首は無投票 | みのり | |
五輪後の余熱で焦がす朝のパン | 絹子 | |
北朝鮮伝家のカード切り直し | 良子 | |
朝餉から遠のく秋刀魚烏賊鮪 | 絹子 | |
夜が明ける度に巨大化するロシア | 砂都市 | |
秀逸 | 聖火消えやっと朝刊らしくなり | 健 |
朝刊で躁か鬱かの日が決まる | 敬三 | |
グルジアの夜明けを闇にするロシア | 貞勇 |
席題 自由 「祭」 千葉絹子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 祭り終え五星紅旗が垂れ下がる | 岩男 |
隣組生きていますよ祭り番 | 哲子 | |
御神輿は下請けに出す高齢化 | 敬三 | |
限界の集落が恋う祭り旗 | 哲子 | |
お祭りがおわりサザンの充電期 | 岩男 | |
鳥の巣が抜け殻になる祭りあと | 友一 | |
秀逸 | アフガンへ後の祭りの退避令 | 紀子 |
農相の後の祭りをする総理 | 芳朗 |
7月は千葉教室はお休みです。
6月26日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
コスト高優等生もねを上げる | 良子 | 16 |
世界一高い自殺と新タワー | 砂都市 | 6 |
縋る拉致指定解除に見えぬ明日 | みのり | 5 |
巡業のモンゴル場所は格闘技 | 駿造 | 2 |
殺人に騒ぎ死刑にまた騒ぎ | 敬三 | 14 |
テロ支援解除へ拉致が値踏みされ | 哲子 | 7 |
飽食の日本に迫る自給率 | 岩男 | 8 |
良心の欠片は混ぜてない偽装 | 紀子 | 13 |
一色で鰻登りになる偽装 | 宏孝 | 8 |
サミットへ温室ガスの乱気流 | 芳朗 | 11 |
救急車足代わりにする得手勝手 | 絹子 | 1 |
自治体が歌うコンビニ子守唄 | 正美 | 5 |
原油高マネーゲームで釣り上げる | 寿寿夢 | 7 |
ニワトリはタマゴの前に値上げされ | 健 | 1 |
ブッシュから北へ解除の置き土産 | 貞勇 | 16 |
(評)「コスト」の優等生は鶏卵。値と音のように一語に二重の
意味を持たせる場合はカタカナが効果的。
「サミットへ」が主催国の重責を思わせ一番の出来。
次いで「コスト」「世界一」「殺人に」「良心の」「自治体」などが及第と見た。
ミニ講和は過去の時事川柳の当てクイズ
(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | そのうちに貧乏人は米を食え | 岩男 |
イナイイアイバア活断層が顔を出す | 良子 | |
中印の着席を待つ脱炭素 | 岩男 | |
モラルなし飛騨牛うなぎ財務省 | みのり | |
くねくねと流通経路まで偽装 | 健 | |
廃業でワーキングプア投げ出され | 芳朗 | |
秀逸 | テロ解除期末在庫の処分めく | 敬三 |
駅前の栄華を偲ぶ塀の中 | 宏孝 |
宿題 時事 「粉」 本田哲子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 粉塵の下で五輪旗ひるがえり | 貞勇 |
各論で粉砕される温暖化 | 芳朗 | |
バイオエタ世界のパンが痩せ細る | 紀子 | |
粉食の値上げへ家計音を上げる | 宏孝 | |
ホコ天に粉々の夢赤く散る | 良子 | |
開拓の粉骨攫う土砂崩れ | 紀子 | |
秀逸 | 身を粉にしてまだ払う介護料 | 健 |
小麦粉の値上げ米飯への回帰 | 岩男 |
席題 自由 「笑」 中野良子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | イラクから笑顔を消した星条旗 | 岩男 |
あれ以来後期の笑顔ふてくされ | 紀子 | |
千円へ禁煙組の高笑い | 貞勇 | |
おみやげと言って笑って口止めし | 健 | |
うなぎだって失笑してるぶらんど化 | 宏孝 | |
秀逸 | 談笑のトップ握手にある打算 | 砂都市 |
5月22日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
食事情異常気象で世界危機 | 駿造 | 0 |
トスパスレシーブ五輪へ風を引き寄せる | 絹子 | 2 |
値上がりで家計はすぐにダイエット | 良子 | 7 |
高齢者保険召集令に見え | 岩男 | 10 |
未来図をおから工事に消去され | みのり | 15 |
新弟子が稽古で被る中華鍋 | 宏孝 | 9 |
五輪旗が瓦礫の山でうなだれる | 貞勇 | 14 |
かど番の総理がねばる徳俵 | 友一 | 11 |
ダライラマにも痛かった大地震 | 敬三 | 10 |
立ち上げにねじれが取れる宇宙局 | 芳朗 | 8 |
人間に餌はやらないムツゴロウ | 正美 | 14 |
顔しかめ三度までだと仏様 | 健 | 3 |
一瞬に死の街津波大地震 | 寿寿夢 | 1 |
天引きと線を引かれて黄泉の道 | 砂都市 | 4 |
(評)中国地震を中心にしながらテーマは多彩。
「トスパス」は女子バレー。
「未来図」「かど番」「人間に」が評価に相応しい出来。
「一瞬」の「街」は再考を。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 惨状の四川が叫ぶ耐震化 | 芳朗 |
裁判員仮法廷で裁かれる | 芳朗 | |
春の旅終えて四川の地獄旅 | 正美 | |
問責という竹光にハムレット | 敬三 | |
友好の種もまいてる救援隊 | 良子 | |
ガス田を土俵に上げる両首脳 | 駿造 | |
秀逸 | 五輪旗持て余してる大鯰 | 宏孝 |
反日を親日にする大地震 | 友一 |
宿題 時事 「手」 遠藤砂都市選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 老人がじっと手を見る長寿国 | 貞勇 |
問責が決め手にならぬ総選挙 | 健 | |
瓦礫から手にしっかいrとボールペン | 岩男 | |
上げた手でごり押し強いた再可決 | みのり | |
ビール瓶放しお玉に持ち替える | 敬三 | |
サイクロンヒト科手もない策もない | 絹子 | |
秀逸 | 自販機の前で緒でこの皺を押す | 絹子 |
片手でもお手盛りできる再可決 | 敬三 |
席題 自由 「困る」 新谷みのり選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 天引きを止めると上る消費税 | 宏孝 |
無意識の差別用語へ駄目出され | 岩男 | |
談笑の底の打算が邪魔をする | 砂都市 | |
被災地で行く手に困る援助隊 | 芳朗 | |
学校が病むモンスターペアレント | 絹子 | |
秀逸 | 年金のガラス細工に来る値上げ | 敬三 |
4月24日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
善光寺さわらぬ神にたたり無し | 砂都市 | 8 |
新種目聖火とデモの鬼ごっこ | 敬三 | 16 |
平和への祭典ボタン掛け違え | 岩男 | 6 |
思いやり在日米軍うらやまし | 良子 | 5 |
九条の違憲をいなす内閣府 | みのり | 12 |
吉野家の屋台揺るがす太い骨 | 宏孝 | 11 |
消費者省良い子悪い子普通の子 | 哲子 | 2 |
御参内さておき晴れのランドセル | 紀子 | 8 |
開くのをためらって咲くチューリップ | 友一 | 13 |
善光寺牛もソッポを向く聖火 | 絹子 | 7 |
長野市で予告先発する星野 | 芳朗 | 8 |
北京よりラサに引かれた善光寺 | 健 | 10 |
感触を党首が確かめる補選 | 寿寿夢 | 4 |
(評)愛子様入学、花を折る事件などは「時事」と言うより一過性のニュース。
聖火の句では「たたりなし」の仏と神を取り合わせた
とぼけた味が面白く「新種目」とともに目を引いた。
「九条の」は中七「いなす」が良い。
「思いやり」は上五を「ウサギ小屋」とでもすれば
風刺が効いて時事句らしくなる。
例・「思いやり予算うらやむウサギ小屋」(て)
宿題 時事雑詠 中島宏孝選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 気のせいか聖火が業火に見えてくる | 良子 |
五つの輪政治の海で溺れかけ | 友一 | |
薬屋と医者がメタボを病気にし | 敬三 | |
裏サイト駆け込み寺のない生徒 | 芳朗 | |
日本に力ためしに来る聖火 | 哲子 | |
産廃と同列後期高齢者 | 岩男 | |
秀逸 | サイタサイタ息をひそめる花畑 | 絹子 |
長生きは無用と手足縛られる | 岩男 |
宿題 時事 「空」 橋敬三選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 聖火待つ長野の空は曇りかち | みのり |
老人が総理に投げる空財布 | 友一 | |
山口の空が気になる永田町 | 芳朗 | |
人権が北京の空を暗くする | 岩男 | |
大宇宙おごる地球は問題児 | 砂都市 | |
鳥インフル空にバリアーほしくなる | 紀子 | |
秀逸 | 厚労省長寿といつも空々し | 良子 |
かぐやから病める地球の診断書 | 砂都市 |
席題 自由 「爽」 本田哲子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 新聞を閉じてサクサク木の芽和え | 紀子 |
初陣へ薫風遼のプロデビュー | 岩男 | |
爽やかな風が抜けない聖火隊 | 芳朗 | |
年金のもつれも呑んで鯉のぼり | 絹子 | |
チベットへエール善光寺から吹き | みのり | |
秀逸 | 子育て大賞五月の空へ爽やかに | 絹子 |
にわとりと後期高齢者が起きる | 敬三 |
3月27日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
誰でもで雷までも順位下げ | 良子 | 0 |
穴開けた前科へ高い冥加金 | 宏孝 | 1 |
胴上げを途中で止めた掲示板 | 久子 | 1 |
焼き石に水火だるまの新銀行 | 絹子 | 7 |
本当の無線であった岡っ引き | 敬三 | 9 |
永田町出口塞いで鬼ごっこ | 哲子 | 11 |
キューピッドゴジラに春のプレゼント | 紀子 | 9 |
ニーハオの五輪へ疼く隠し疵 | 岩男 | 14 |
新銀行が都民に回す高い付け | 芳朗 | 8 |
惜別の銀河思い出乗せて去り | みのり | 10 |
品格がサッカー好きに投げられる | 正美 | 1 |
二党して泣く子をあやす策を練り | 健 | 12 |
セクハラも謝礼も入る教授役 | 寿寿夢 | 7 |
18歳岡山駅と甲子園 | 砂都市 | 10 |
(評)今最大の時事道路特定財源問題が一句もない
など、一部を除き全体的にテーマが小さい。
一句から三句までは難解。時事川柳は謎解きではない。
「焼き石」は焼け石でないところが新鮮。
突出した作品がない中で、
「永田町」「キューピッド」「ニーハオ」「18歳」が
目にとまった。(て)
宿題 時事雑詠 市川芳朗選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 薬師寺を出て東京に目を見張る | 砂都市 |
五輪旗にチベットが噛む傷が付き | 小)正美 | |
国交省ならば運慶軽く買え | 敬三 | |
総裁も総理も飾りだとわかり | 健 | |
外出へ鎧兜が欲しくなり | 哲子 | |
ドルにだけ付き合わされる腐れ縁 | 寿寿夢 | |
おばさんの抗議知事より通る筋 | 久子 | |
秀逸 | ゲーマーが妄想部屋で生む狂気 | 砂都市 |
船長に視界不良の永田町 | 岩男 |
宿題 時事 「暗」 大城戸紀子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 生徒会校長室のパトロール | 敬三 |
暗転の舞台に戻るロスタイム | 宏孝 | |
中国の暗部チベットから火の手 | 芳朗 | |
この上は死亡届を待つ名寄せ | 敬三 | |
立ち暗み四○○億を差し上げる | 哲子 | |
オリンピア聖火に暗い影よぎり | みのり | |
泥沼のイラクに今日も墓標増え | 岩男 | |
秀逸 | 暗礁の上に日銀旗を立て | 小)正美 |
バーチャルのゲーム暗黒へと続く | 砂都市 |
席題 自由 「空」 橋敬三選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 日本のきぼう瞬く空の涯 | 宏孝 |
ネパールの空へ僧衣が噴火する | 絹子 | |
天空へ唾して都知事無責任 | 久子 | |
永田町ウジウジ青い空の下 | 紀子 | |
国民の空気読めない永田町 | 芳朗 | |
スランプの底から空の広さ知る | 砂都市 | |
秀逸 | 国境のない空黄砂フリーパス | 良子 |
五輪旗が霞む北京の空模様 | 宏孝 |
2月28日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
微温湯の中で国の守りを考える | 哲子 | 3 |
二転三転悲憤つのらす水面下 | みのり | 5 |
緩褌の海自に霞む毒餃子 | 岩男 | 13 |
新語ごと市民権得る広辞苑 | 砂都市 | 0 |
キャスターに母が教えるロス疑惑 | 良子 | 12 |
返品の山が焦げつく冷凍庫 | 宏孝 | 9 |
防衛省仮面つけるに手間がとれ | 久子 | 11 |
緘口令レーダーまでが押し黙り | 紀子 | 16 |
迷宮の扉を開けるロス市警 | 芳朗 | 8 |
不祥事の連鎖海自の体たらく | 寿寿夢 | 3 |
灰色の雲が晴れないロスの空 | 正美 | 6 |
雑踏で両手放しの自衛艦 | 敬三 | 21 |
ロス疑惑追う執念の逮捕劇 | 絹子 | 1 |
玉砂利を踏まねば四海波静か | 健 | 2 |
(評)この時期最大の時事「イージス艦と漁船の衝突」
に半数が挑戦。他のテーマの作品を含め
突出した出来栄えの句は見えずほぼ均衡。
その中で
餃子とセットの「緩褌」、時の流れの速さを主題にした「キャスター」、
風刺のある「防衛省」「緘口令」「雑踏で」が目に留まった。(て)
宿題 時事雑詠 市川芳朗選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 矢面に立つ大臣の軽い首 | 砂都市 |
これからは転ばないでと放浪記 | 健 | |
列島の足なぎ倒す春あらし | 絹子 | |
リバイバルメディア湧かせるロス疑惑 | 紀子 | |
麻酔科へ草木も靡く受験生 | 砂都市 | |
犯罪の疑わしきは国を替え | 正美 | |
秀逸 | 血の絆弱者藻屑にしたあたご | みのり |
ロス疑惑時計の針を巻き戻す | 岩男 |
宿題 時事 「辛」 福田岩男選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 辛いですかピントのずれるぶらさがり | 哲子 |
ギョウザよりつまみは辛子明太子 | 健 | |
制服へうらみ辛みを噛む拳 | 紀子 | |
新銀行都知事へ辛い都民の目 | 絹子 | |
さぶいっぺ茶の間も辛い時化の海 | 紀子 | |
辛抱の二字凍りつく拉致家族 | 砂都市 | |
秀逸 | 官邸に香辛料のないレシピ | 芳朗 |
離乳食チルドレンには辛すぎる | 宏孝 |
席題 自由 「甘」 中島宏孝選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 甘口の二世が並ぶ永田町 | 岩男 |
旋律の甘さじゃ溶けぬ北の核 | 紀子 | |
銀行へ入れる都知事の甘い水 | 芳朗 | |
気にかかる甘い躾のはての孫 | 良子 | |
閣僚を庇い倒れたこと忘れ | 健 | |
秀逸 | 自分には甘い銀行創立者 | 健 |
今回の初参加は中野良子さんでした。
今後ともよろしくお願いいたします。(絹子)
1月24日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
リサイクルへ水を差してる古紙偽装 | 哲子 | 12 |
お手玉にハンドボールがされている | 貞勇 | 14 |
古いもの混ぜていいのはパルプだけ | 友一 | 6 |
バレンタイン今年もイラクへチョコ募金 | 絹子 | 0 |
真っ白な紙に偽装があったとは | 紀子 | 5 |
火の玉がガソリンさげて彷徨し | 健 | 9 |
発覚の利鞘欠片の倫理観 | みのり | 2 |
エコマークがしょんぼりしている再生紙 | 岩男 | 16 |
ガソリン税水と油に分離する | 芳朗 | 15 |
パスワード教えてくれと受信料 | 敬三 | 9 |
一二年生のガソリン値下げ隊 | 寿寿夢 | 2 |
採算へ嘘も漉き込む再生紙 | 宏孝 | 22 |
初版から芦屋と須磨を取り違え | 久子 | 8 |
(評)「再生紙」が多い中で「採算へ」が抜けたが「古いもの」にも味がある。
必要な助詞と不要な助詞について話したが、技巧の巧拙前に句が日本語として
成り立っていることが先ず先決。中八は当然大きなマイナス点になる。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 偽装紙に名前を変える再生紙 | 芳朗 |
国民と言いすぎ国が薄く見え | 哲子 | |
料亭の芥子は甘い食の街 | 健 | |
大相撲まだ君が代を歌ってる | 久子 | |
ガソリンで燃え上がってる永田町 | 友一 | |
インサイダートップの首を挿げ替える | 紀子 | |
秀逸 | 小泉の魔法が解けるチルドレン | 岩男 |
吉兆の腹話術師の晴れ舞台 | 敬三 |
宿題 時事 「読」 千葉絹子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 年金が晴耕雨読妨げる | 貞勇 |
才色兼備かぐやが月を読んでくれ | 久子 | |
乳と卵読めと冬日へ受賞作 | みのり | |
同じ党内でも読めぬボスの腹 | 健 | |
続編は低姿勢です特別便 | 哲子 | |
持たぬ身の眼にも株価がただならぬ | 紀子 | |
秀逸 | C型へひとまず打った句読点 | 宏孝 |
塵芥集めて重し広辞苑 | 敬三 |
席題 時事 「雪」 守谷友一選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 初雪の予報へ朝の重装備 | 岩男 |
蛍雪の昔に還る原油高 | 宏孝 | |
雪国の港に欲しい給油艦 | 紀子 | |
アメリカのくしゃみが起こす大雪崩 | 宏孝 | |
背水の陣の後ろの猛吹雪 | 貞勇 | |
大雪崩恐れながらの再可決 | 敬三 | |
秀逸 | 偽装など知らない雪が透きとおる | 紀子 |
国替えに脅える岐阜の雪女郎 | 貞勇 |
11月22日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
空前の切っても切れぬ癒着ぶり | 寿寿夢 | 2 |
三ツ星へ拍手さんまを齧りつつ | 紀子 | 10 |
ミシュランの俎板に載る星の数 | みのり | 12 |
料亭の献立詰める段ボール | 宏孝 | 16 |
防衛省疑惑の蔓は累々と | 絹子 | 2 |
燃料に直撃される給食費 | 芳朗 | 16 |
ふところもこころも寒い冬になる | 砂都市 | 5 |
アメリカを買って十年逆もどり | 健 | 5 |
長寿へぐいヒト科細胞引き上げる | 哲子 | 1 |
万能へ一皮剥けたヒトの皮膚 | 闘句郎 | 17 |
伏魔殿死の商人が闊歩する | 岩男 | 3 |
対案は額賀に決めた民主党 | 敬三 | 11 |
テープ切る指三本のVサイン | 久子 | 8 |
(評)「万能」が良い。「料亭の」は「吉兆の」で具体的になり作品の寿命も延びる。
「三ツ星」はさんまに難。(て)
宿題 時事雑詠 市川芳朗選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | レギュラーも灯油も騰がる天高く | 寿寿夢 |
干拓で休耕田がさらに増え | 健 | |
退職金芝の上で棒に振り | 宏孝 | |
万能の夢が細胞駆け巡る | 闘句郎 | |
秀逸 | 大阪で癒す民主の首の傷 | 敬三 |
六年の歪み捻れる特措法 | みのり |
宿題 時事 「清」 千葉絹子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | のめのめとパートに強いる清まし汁 | 宏孝 |
清潔な部屋に入院した久間 | 闘句郎 | |
永田町伏流水に清と濁 | 芳朗 | |
接待の現場に欲しい清浄機 | 紀子 | |
秀逸 | 粛清を食らったNOVAの独裁者 | 砂都市 |
吉兆の秘伝が濁る清まし汁 | 紀子 |
席題 時事 「探る」 新谷みのり選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 握手した袋の中の探り合い | 久子 |
平成のかぐやが探る月の謎 | 岩男 | |
秀逸 | 連立へシナリオ模索する党首 | 砂都市 |
10月25日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
キリタンポ鍋に地鶏の肉がない | 友一 | 11 |
三百年も老舗を背負った赤い嘘 | 絹子 | 1 |
地雷原だった接待ゴルフ場 | 貞勇 | 7 |
憧れの鶏になる二度の職 | 哲子 | 0 |
喚問へ多少さめるかゴルフ焼け | 紀子 | 6 |
背水の陣へ防衛省の乱 | 岩男 | 10 |
新法へ地雷を抱いた前次官 | 芳朗 | 4 |
同族のおごり禊へ五十鈴川 | みのり | 7 |
義のために行かねばならぬインド洋 | 寿寿夢 | 2 |
耐震の嘘は序曲と未完成 | 正美 | 5 |
平成のリングに平家物語 | 宏孝 | 10 |
ティーショットインド洋まで届かない | 敬三 | 6 |
ゴルフ場キャディの声と天の声 | 健 | 4 |
伊勢土産真っ赤な嘘をついて売り | 久子 | 7 |
(評)「憧れ」は廃鶏と比内鶏。一桁得点では「新法」「同族」「耐震」「ゴルフ場」を採る。(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 逃げ出した弟子は丸太にして返し | 宏孝 |
増税のからくり箱に金をかけ | 久子 | |
赤福のお色直しが多すぎる | 哲子 | |
不作為の怠惰へ患者むしろ旗 | 岩男 | |
くさいめしゴルフの後に用意され | 友一 | |
ミリタリーパワーも術のない大火 | 紀子 | |
秀逸 | 廃鶏の戒名になる比内鶏 | 芳朗 |
前次官の給油を受ける民主党 | 健 |
宿題 時事 「産」 大城戸紀子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 産出に係わりのない原油高 | 正美 |
農の危機外国産の日本米 | 寿寿夢 | |
出産のリスク肝炎捨ておかれ | みのり | |
特産の美味を信じた舌を恥じ | みのり | |
日本も中国産を笑えない | 友一 | |
福祉とは何産道は風ばかり | 貞勇 | |
秀逸 | 産院の盥が命弄ぶ | 宏孝 |
薬害を産みっ放しの地下倉庫 | 久子 |
宿題合点成績 3点 久子、宏孝 2点 芳朗、友一、健、みのり
1点 岩男、哲子、紀子、寿寿夢、正美、貞勇
席題 自由 「広」 本田哲子選
入選 | 句 | 作者 |
---|---|---|
佳作 | 若者に急接近の広辞苑 | 友一 |
いつ消えるカリフォルニアを飲む大火 | 紀子 | |
北極の熊に氷の無い広さ | 久子 | |
果てしない裾野偽装が止まらない | 岩男 | |
茶番劇には議事堂が広すぎる | 貞勇 | |
秀逸 | 広告のない新聞を見たいもの | 友一 |
9月27日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
---|---|---|
相撲部屋俵に置いた責道具 | 久子 | 12 |
官邸を足重い人軽い人 | 砂都市 | 5 |
個室からリリーの歌が漏れてくる | 宏孝 | 3 |
背水の陣の後ろが干からびる | 貞勇 | 9 |
大臣ももったいないとリサイクル | 敬三 | 15 |
重厚という内閣に並ぶボス | 岩男 | 8 |
亮子凱旋ママになっても金メダル | 紀子 | 6 |
国連に頭を下げてする給油 | 芳朗 | 10 |
安保理にやらせ揺さぶる自民の手 | 寿寿夢 | 4 |
外堀を埋めても漏れる給油船 | 健 | 7 |
芋名月かぐやが剥がす薄衣 | みのり | 10 |
ミャンマーの平和へ僧衣立ち上がる | 絹子 | 4 |
月影のワルツで送る安倍総理 | 闘句郎 | 7 |
(評)福田内閣誕生後初教室。時事性と視角で「大臣も」が大きく
他を引き離す出来栄え。「相撲部屋」「国連に」には時事特有の風刺がある。
ミニ講話は「オノマトペ」について(て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
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佳作 | 背水の陣が冷たい秋の風 | 久子 |
テロ法へ墨が乾かぬお墨付き | 敬三 | |
品格が泡を吹いてる大相撲 | 芳朗 | |
逆転は視野になかった特措法 | 岩男 | |
大臣に合わせて稲の出来具合 | 久子 | |
秀逸 | ミャンマーに神も仏も無い治安 | 闘句郎 |
キビダンゴ積んで内閣走り出す | 絹子 |
宿題 時事 「星」 福島久子選
入選 | 句 | 作者 |
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佳作 | おむつ替え授乳しながらママで金 | 岩男 |
アッキーも一光年の星のくず | 芳朗 | |
官邸の星座を変える自民党 | 芳朗 | |
宰相が給油と叫ぶ流れ星 | 貞勇 | |
玉不足派閥がかつぐ老いた星 | 敬三 | |
秀逸 | いん石になってしまった前総理 | 貞勇 |
美しい国はそのまま流れ星 | 敬三 |
宿題合点成績 4点 敬三、3点 芳朗・貞勇、2点 絹子・岩男・久子・闘句郎
席題 自由 「連」 福田岩男選
入選 | 句 | 作者 |
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佳作 | つれションを太郎やんわりお断り | 貞勇 |
連獅子を舞う上州のの空っ風 | 芳朗 | |
連立の旨味教義を捻じ曲げる | 宏孝 | |
軍政へ黄色の群と民の群 | 久子 | |
国連が下駄をあずけるインド洋 | 紀子 | |
秀逸 | 首吊りで連絡を待つモーニング | 敬三 |
官邸が揚げる連凧派閥凧 | 芳朗 |
8月23日 於 千葉市中央コミュニティセンター
宿題 時事雑詠 互選
句 | 作者 | 点数 |
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美しい国敗戦に店仕舞い | 岩男 | 6 |
肉まんの処分に使うダンボール | 小)正美 | 3 |
壊し屋の舌は残暑もいとわない | 哲子 | 2 |
恋人の白にまんまと騙される | 絹子 | 7 |
晋ちゃんの宿題駒と首っ引き | 紀子 | 9 |
角界の常識破る師弟間 | 寿寿夢 | 1 |
官邸の赤色灯が止まらない | 芳朗 | 14 |
野党ならまだアメリカにノウと言え | 健 | 11 |
綱一本ねじれて解けぬ心技体 | みのり | 11 |
台湾もチャイナフリーのお手伝い | 敬三 | 7 |
白かった恋人の嘘見抜けない | 砂都市 | 3 |
気温よりうなぎのぼりの電気代 | 貞勇 | 8 |
高砂や子の突っ張りに音をあげる | 宏孝 | 8 |
(評)高点句を含め一長一短。
「官邸の」の他は「肉まんの」と「台湾も」の風刺を採る。
ミニ講話は「5W1H」 (て)
宿題 時事雑詠 渡辺貞勇選
入選 | 句 | 作者 |
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佳作 | 電力のピンチへ助太刀の雷雨 | 紀子 |
薬より効くモンゴルの風邪と空 | 岩男 | |
道連れの銃が警邏の道を逸れ | 紀子 | |
死に体がまだ離さない連隊旗 | 岩男 | |
泥舟だって乗りたい真夏日の人事 | みのり | |
秀逸 | モンゴルへ伸びてはいない相撲道 | 哲子 |
逆転ホーマーがばい猛暑吹き飛ばす | 絹子 |
宿題 時事 「味」 遠藤砂都市選
入選 | 句 | 作者 |
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佳作 | 改造へ代わり映えせぬ調味料 | 敬三 |
恋人が味覚品格落とすチョコ | 芳朗 | |
役人が嗅ぎ分けている蜜の味 | 貞勇 | |
優駿も味覚が鈍る風邪を引き | 正美 | |
栗拾い味方につける祖父の縁 | 健 | |
秀逸 | 味噌つけた後も尾を引く迷い箸 | 宏孝 |
防衛相口三味線が多過ぎる | 貞勇 |
席題 自由 「熱」 橋敬三選
入選 | 句 | 作者 |
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佳作 | 中華鍋より熱かった台湾機 | 貞勇 |
診断書土俵の外が加熱する | 宏孝 | |
東電を熱波が揺らす綱渡り | みのり | |
どこへ降り立つ団塊の熱気球 | 哲子 | |
秀逸 | 山盛りの灸横綱に据えられる | 貞勇 |
会員の色紙
モノレールの千葉駅で各吟会が色紙を展示して
川柳の普及に努めています。
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